はじめの情報処理安全確保支援士試験講座②フェールセーフについて説明します!

インフラ

今回からは、過去の試験問題を題材にして、情報処理安全確保支援士試験で使用されている専門用語について説明します。

初回の今回はフェールセーフについて説明します。

是非、最後までご覧いただけると嬉しいです。

フェールセーフ

問題 フェールセーフの考えに基づいて設計したものはどれか。

ア 乾電池のプラスとマイナスを逆にすると、乾電池が装填できないようにする。

イ 交通管制システムが故障したときには、信号機に赤色が点灯するようにする。

ウ ネットワークカードのコントローラーを二重化しておき、片方のコントローラが故障しても運用できるようにする。

エ ハードディスクにRAID1 を採用して、MTBFで示される信頼性が向上するようにする。

引用:情報処理技術者試験 平成31年 春 午前Ⅰ問16

フェールセーフとは

フェールセーフとは、システムが故障しても安全な状態を維持する設計思想です。これは、システムがいつか必ず壊れるという前提に立ち、故障時や異常発生時でも、人命や環境に危害を加えることなく、被害を最小限に抑えることを目的としています。

フェールセーフの具体的な方法

フェールセーフを実現するための具体的な方法は、システムによって様々です。以下に、いくつかの例を紹介します。

1.冗長化

システムの重要な部分にバックアップを設けることで、故障が発生しても機能を維持できるようにします。例えば、飛行機には複数のエンジンが搭載されており、1つのエンジンが故障しても、他のエンジンで飛行を続けることができます。

2. 自動停止

異常を検知した際に、システムを自動的に停止することで、被害の拡大を防ぎます。例えば、原子力発電所では、異常な温度上昇や放射線量の増加を検知すると、自動的に炉が停止するように設計されています。

3. 安全側に動作させる

システムが故障した場合、安全側に動作するように設計します。例えば、踏切遮断機が故障した場合、遮断棒が降りて列車の通行を阻止するように設計されています。

フェールセーフの例

フェールセーフの考え方は、様々な分野で活用されています。以下に、いくつかの例を紹介します。

  • 交通システム
    • 飛行機:複数のエンジン搭載、自動操縦装置の冗長化
    • 鉄道:自動停止装置、ATS (Automatic Train Stop)
    • 自動車:エアバッグ、ABS (Anti-lock Brake System)
  • 医療システム
    • 医療機器のバックアップシステム
    • 医療従事者の二重チェック
  • 原子力発電所
    • 炉心溶融防止措置
    • 緊急時対応マニュアル

解答

イ 交通管制システムが故障したときには、信号機に赤色が点灯するようにする。

その他の答え

ア フールプルーフ考えに基づいた設計
ウ フェールソフトの考えに基づいた設計
エ フォールトトレランスの考えに基づいた設計

フールプルーフ

フールプルーフとは、人が誤った操作をしても重大な事故を招かないよう設計することです。これは、人間のミスを前提に、製品やシステムが誤操作に耐えられるようにすることで、安全性や信頼性を向上させることを目的としています。

フールプルーフの具体的な方法

フールプルーフを実現するための具体的な方法は、製品やシステムによって様々です。以下に、いくつかの例を紹介します。

1. ポカヨケ

誤操作を防ぐための仕組みを設計します。例えば、コンセントのプラグは向きが合わないと挿さらないように設計されています。

2. インターロック

誤操作による危険な動作を防ぐための連動装置を設けます。例えば、プレス機のスイッチは両手で押さないと作動しないように設計されています。

3. 表示・警告

操作方法や注意事項を分かりやすく表示したり、警告音を鳴らしたりすることで、誤操作を防ぎます。

フェールソフト

フェールソフトとは、システムが故障しても、完全に停止せずに最低限の機能を維持する設計思想です。これは、システムの完全性を追求するのではなく、故障時にでもサービスの継続性を重視する考え方です。

フェールソフトの具体的な方法

フェールソフトを実現するための具体的な方法は、システムによって様々です。以下に、いくつかの例を紹介します。

1. 機能の切り分け

システムの機能を複数のモジュールに分割し、一部のモジュールが故障しても、他のモジュールが最低限の機能を提供できるようにします。例えば、Webサイトの一部機能が停止しても、他の機能は利用できるように設計することができます。

2. 性能の低下

故障発生時に、システム全体の性能を低下させることで、サービスの継続を維持します。例えば、動画配信サービスでは、画質を下げることで、スムーズな視聴を継続できるようにします。

3. 代替手段の提供

故障発生時に、代替手段を提供することで、ユーザーがサービスを利用できるようにします。例えば、オンラインサービスが停止した場合、電話でのサポートを提供することができます。

フォールトトレランス

フォールトトレランスとは、システムに障害が発生しても、サービスの継続性とデータの整合性を維持する設計思想です。これは、システムが完璧ではなく、いつか必ず故障するという前提に立ち、故障の影響を最小限に抑え、

フォールトトレランスの具体的な方法

フォールトトレランスを実現するための具体的な方法は、システムによって様々です。以下に、いくつかの例を紹介します。

1. 冗長化

システムの重要な部分にバックアップを設けることで、故障が発生しても機能を維持できるようにします。例えば、Webサイトでは、複数のサーバーを用意することで、1つのサーバーが故障しても、他のサーバーでサービスを提供することができます。

2. エラー検出・訂正

データ伝送や処理において、エラーが発生した際に検知し、訂正することで、データの整合性を保ちます。例えば、RAID (Redundant Array of Independent Disks) では、複数のディスクにデータを分散保存することで、1つのディスクが故障しても、データ損失を防ぐことができます。

3. フェイルオーバー

障害が発生した際に、予備のシステムに切り替えることで、サービスの継続性を維持します。例えば、通信ネットワークでは、複数の回線を用意することで、1つの回線が断線しても、他の回線で通信を継続することができます。

まとめ

本日は下記について説明しました。

  • フェールセーフ

フェールセーフとは、システムが将来的に故障する可能性を前提に設計された、人命や環境への被害を最小限に留めるための安全思想です。このアプローチは、社会の多岐にわたる分野で採用されており、社会の安全性と効率性を高める重要な役割を担っています。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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