はじめのProfessional Cloud Data Engineer認定取得講座㉗Cloud Storageの署名付きURL、Storage Transfer Service、Transfer Applianceについて説明します!

クラウド

今回も、Professional Cloud Data Engineer認定取得するために、私が勉強した内容をアウトプットしていきます。

今回は、Cloud Storageの署名付きURL、Storage Transfer Service、Transfer Applianceについて説明します!

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです!

Cloud Storageの署名付きURL

Cloud Storage の「署名付き URL」は、特定のリソース(オブジェクト)に対して、期間限定のアクセス権限を付与するための URL を生成する機能です。

通常、Cloud Storage 内の非公開オブジェクトにアクセスするには Google アカウントと適切な IAM 権限が必要ですが、署名付き URL を使えば、Google アカウントを持たないユーザーに対しても、一時的にオブジェクトの読み取り(ダウンロード)や書き込み(アップロード)を許可できます。

署名付きURLの仕組み

署名付き URL は、URL のクエリ文字列の一部として認証情報(署名)を含んでいます。この署名によって、URL の受信者がオブジェクトに対して特定の操作(GET, PUT, DELETE など)を行う権限を持っていることが検証されます。

<主な特徴>

  • 期限付き:署名付き URL には必ず有効期限が設定されます。この期限を過ぎると、URL は自動的に無効になります。
  • 特定の操作:オブジェクトの読み取り (GET)、書き込み (PUT)、削除 (DELETE) など、許可する HTTP メソッドを指定して生成されます。
  • Google アカウント不要:URL を受け取った人(またはアプリケーション)は、Google アカウントでログインしていなくても、その URL が有効な期間内に限り、許可された操作を行えます。

主なユースケース

署名付き URL は、以下のようなシナリオで非常に役立ちます。

  1. ユーザーへのファイルダウンロード:Web アプリケーションで、ログインユーザーに特定のファイル(例: 購入した電子書籍、請求書 PDF など)を一時的にダウンロードさせる場合。ユーザーに直接 Cloud Storage の権限を与えることなく、安全にファイルを提供できます。
  2. ユーザーからのファイルアップロード:ユーザーがアプリケーションにファイル(例:プロフィール画像、提出書類)をアップロードする際、バックエンドサーバーを経由せず、ブラウザから直接 Cloud Storage にアップロードさせたい場合。これにより、サーバーの負荷を軽減できます。「再開可能なアップロード」にも対応しています。

セキュリティに関する重要な考慮事項

署名付き URL は非常に便利ですが、セキュリティに直結するため、取り扱いには注意が必要です。

  • URL の機密性:署名付き URL は、その URL を知っている誰でも(有効期限内であれば)アクセスできてしまいます。そのため、URL 自体を「一時的な認証情報」として扱い、HTTPS 経由でのみ送信するなど、機密情報として慎重に取り扱う必要があります。
  • 有効期限の最小化:最大のリスク軽減策は、有効期限をできるだけ短く設定することです。例えば、ダウンロードリンクであれば数分間、アップロードであれば 1時間など、ユースケースに必要な最小限の時間に設定することが強く推奨されます。

Cloud Storageの署名付きURLのまとめ

Cloud Storage の署名付き URL は、Google アカウントを持たないユーザーにも期間限定で安全にオブジェクトへのアクセスを許可できる便利な仕組みです。主にファイルの一時的なダウンロードやアップロードに活用され、アプリケーションの負荷軽減にも貢献します。一方で、URL 自体が一時的な認証情報となるため、漏洩防止や HTTPS の利用など、慎重な管理が不可欠です。特に有効期限は最小限に設定し、リスクを最小化することが重要です。適切に運用すれば、利便性とセキュリティを両立した安全なデータ共有を実現できます。

Storage Transfer Service

Storage Transfer Service は、Google Cloud が提供するフルマネージドのデータ転送サービスです。オンプレミスのデータセンターや他のクラウドストレージ(AWS S3、Azure Blob Storage など)から、Google Cloud Storage へ、あるいは Cloud Storage バケット間で、大規模なデータを迅速かつ確実に移動させるために設計されています。

手動でのスクリプト作成やインフラ管理を必要とせず、ペタバイト規模のデータ転送を自動化できる点が大きな特徴です。

主なユースケース

Storage Transfer Service は、以下のようなシナリオで特に役立ちます。

  • Cloud Storage へのデータ移行:オンプレミスのストレージシステムや、Amazon S3、Azure Blob Storage などの他のクラウドプロバイダから Google Cloud Storage へデータを移行します。
  • バックアップとアーカイブ:重要なデータを Google Cloud に複製(バックアップ)したり、コストの高いオンプレミスストレージから安価な Cloud Storage にコールドデータ(アーカイブ)を移行したりして、コストを削減します。
  • データ処理パイプライン:他の場所で生成されたデータを Google Cloud に集約し、BigQuery や Dataproc などで分析するためのデータ取り込み口として機能します。
  • バケット間のレプリケーション:ある Cloud Storage バケットから別のリージョンのバケットへデータをコピーし、ディザスタリカバリやリージョン間のデータ分散を実現します。

サポートされる転送元と転送先

Storage Transfer Service は、多様なストレージシステム間のデータ移動をサポートしています。

<主な転送元>

  • Amazon S3
  • Microsoft Azure Blob Storage
  • S3 互換ストレージ
  • Google Cloud Storage バケット
  • オンプレミス ファイルシステム (HDFS を含む)
  • 一般公開されている URL のリスト (HTTP/HTTPS)

<主な転送先>

  • Google Cloud Storage バケット
  • オンプレミス ファイルシステム

主なメリット

  • フルマネージド:インフラのプロビジョニングや管理、スケーリングを Google Cloud に任せることができます。ユーザーはデータ転送ジョブの定義に集中できます。
  • 高いパフォーマンスと信頼性:高度に並列化されたアーキテクチャにより、転送速度が最適化されます。また、自動再試行やロードバランシング機能により、信頼性の高い転送が保証されます。
  • 安全な転送:転送中のデータは、エンドツーエンドの暗号化(TLS 1.3 サポート)によって保護されます。さらに、データの整合性検証も行われ、転送中にデータが破損しないことを保証します。
  • 柔軟なスケジューリング:転送ジョブは、1 回限りの実行だけでなく、定期的なスケジュール(例:毎日、毎週)を設定して、継続的なデータ同期やバックアップを自動化できます。

Storage Transfer Serviceのまとめ

Storage Transfer Service は、Google Cloud が提供するフルマネージドな大規模データ転送サービスで、オンプレミスや他クラウドから Cloud Storage への移行を自動化できます。スクリプトやインフラ管理が不要で、ペタバイト規模のデータを高速かつ信頼性高く転送可能です。さらに、バックアップやアーカイブ、リージョン間のレプリケーションにも対応し、柔軟なスケジューリングもサポートします。転送中は暗号化と整合性検証によりデータの安全性を確保。効率性・安全性・運用性を兼ね備えたデータ移行の最適解です。

Transfer Appliance

Google Cloud の Transfer Appliance は、大量のデータをオフラインで安全に Google Cloud Storage に移行するための、物理的なストレージアプライアンス(専用ハードウェア)をレンタルするサービスです。

ネットワーク経由でのデータ転送が非現実的な、テラバイトからペタバイト規模のデータ移行に最適化されています。

なぜ Transfer Appliance が必要なのか?

企業の保有するデータが数ペタバイト(PB)に達する場合、一般的なインターネット回線(100Mbps~1Gbps)でそのすべてをクラウドにアップロードしようとすると、数年単位の途方もない時間がかかってしまいます。

Transfer Appliance は、この「ネットワーク帯域幅のボトルネック」を解消し、物理的な輸送を利用して、数週間以内に大量のデータを Google Cloud に取り込むことを可能にします。

Transfer Appliance の仕組み

利用プロセスはシンプルです。

  1. リクエスト:ユーザーは Google Cloud コンソールから、必要なデータ容量(例: 40TB、300TBモデルなど)を指定して Transfer Appliance をリクエストします。
  2. 配送:Google から、セキュリティで保護された(改ざん防止機能付きの)物理アプライアンスがユーザーのデータセンターに配送されます。
  3. データコピー:ユーザーはアプライアンスをローカルネットワークに接続し、移行したいデータを高速でアプライアンスにコピーします。データはアプライアンス上で自動的に暗号化されます(顧客管理の暗号鍵(CMEK)もサポート)。
  4. 返送:データのコピーが完了したら、アプライアンスを Google に返送します。
  5. アップロード:Google の施設に到着後、Google がアプライアンスからユーザー指定の Cloud Storage バケットにデータを安全にアップロードします。

主な特徴とメリット

  • 大規模データ対応:数十テラバイトから最大 300TB(モデルによる)のデータを 1 台で扱え、複数台の利用も可能です。
  • 高速なローカル転送:ユーザーの高速なローカルネットワーク(例: 10Gbps や 40Gbps)を使用してデータをコピーするため、アップロード時間を大幅に短縮できます。
  • 強固なセキュリティ:データは保存時および輸送時に暗号化され、アプライアンス自体も物理的に改ざんできないよう設計されています。
  • ネットワーク負荷ゼロ:既存のインターネット回線に負荷をかけることなく、データ移行を実行できます。
  • オンライン転送モード:アプライアンスには、データを Google に直接ストリーミング転送する「オンライン転送」モードも用意されており、より迅速な取り込みが可能な場合もあります。

Transfer Applianceのまとめ

Transfer Appliance は、テラバイトからペタバイト規模のデータを安全かつ迅速に Google Cloud に移行するための物理アプライアンスです。ネットワーク転送が非現実的な大容量データを、暗号化された状態で物理的に輸送することで、数週間でクラウド移行を実現します。高帯域のローカルネットワークを活用した高速コピーや強固なセキュリティ設計により、効率性と安全性を両立。インターネット帯域への負荷もゼロで運用可能です。現在は日本でも正式に利用でき、大規模データ移行の有力な選択肢となっています。

まとめ

今回は、下記3点について説明しました。

  1. Cloud Storageの署名付きURL
  2. Storage Transfer Service
  3. Transfer Appliance

Cloud Storage には、データの規模や利用シーンに応じて最適な転送・共有手段が用意されています。署名付きURLは、一時的かつ安全に外部ユーザーとデータを共有できる軽量な方法です。Storage Transfer Service は、オンラインで大容量データを自動・効率的に移行できるマネージドサービスです。そして Transfer Appliance は、ネットワーク転送が困難な大規模データを物理的に安全に移行できるソリューションです。これらを使い分けることで、あらゆる環境から Google Cloud へのデータ移行を効率的かつ安全に実現できます。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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