今回は、macOSでパスワード付き圧縮ファイルを作成できるフリーソフトを紹介します。
昨今、企業でメールの誤送信によるセキュリティ事故が多発しています。私が前に勤めていた企業でも何度もありました。これにより、メールに添付するファイルはパスワードをかけてやり取りすることが求められています。macOSの標準機能でもパスワードをかけた圧縮ファイルを作成することはできますが、ターミナルを使用するため難易度が高いです。
今回のブログでは、簡単にパスワード付き圧縮ファイルを作成できるフリーソフトを紹介します。
是非、最後までご覧いただけると嬉しいです。
Kekaの紹介
Kekaは、macOSでパスワード付き圧縮ファイルを作成することをできる圧縮・解凍ソフトです。Kekaは、様々な圧縮・ファイル形式に対応しています。
macOSやWindowsの標準圧縮形式はZIPです。Kekaは下記の圧縮・ファイル形式に対応しています。
- ZIP
- 7z
- TAR
- GZIP
- BZIP2
- XZ
- LZIP
- BROUTLI
- ZSTD
- LRZIP
- WIM
- DMG
- ISO
上記の中でよく使用される圧縮・ファイル形式について説明します。
ZIP
ZIPは、WindowsやmacOS、Linuxなど、ほとんどのプラットフォームでサポートされています。
ZIPの特徴には、下記のような特徴があります。
- 複数のファイルやフォルダーを1つのファイルにまとめる
- ファイルの送受信や保存で頻繁に使用
- パスワードで保護したり、複数のファイルに分割する
- オープンソースで、誰でも使用可能
- ほとんどのプラットフォームでサポート
7z
7zは、ZIPの改良版です。
7zの特徴でZIPと違う点には、下記のような点があります。
- ZIPよりも高い圧縮率
- AES-256暗号化を使用してファイルを保護
7zは、ZIPよりも高い圧縮率を提供するため、ファイルサイズを抑えたい場合に適しています。過去、Adobeソフトウェアの古いバージョン(CS2)をダウンロードした際、この形式が使用されていました。
ISO
ISOは、光学ディスク(CD/DVD/Blu-ray Disc)の内容を丸ごと1つのファイルに記録したものです。また、そのようなファイル形式です。ISOは、物理ディスクのバックアップを作成する際よく使われます。
ISOには、下記のような特徴があります。
- ほとんどのオペレーティングシステムやメディアプレーヤーで直接再生
- ディスクやメディア全体を1つのファイルとして保存
- 一部の圧縮アルゴリズムを使用してファイルサイズを縮小
- ディスクイメージ内に複数のセッションを含めることができ、CD-RやDVD-Rディスクに複数のセッションを書き込んで、データを追加できる
- ディスクイメージ内のファイルの整合性を保証するためにチェックサムが使用され、ディスクイメージが正確であることを確認
私は、CDやDVD、USBメモリのバックアップを作成する際に、ISO形式をよく使用しています。
ダウンロード&インストール方法
Kekaのダウンロード方法とインストール方法について説明します。
ダウンロード方法
Kekaは、Webサイトからダウンロードする方法とApp Storeからダウンロードする方法があります。App Storeからダウンロードする場合は、有料です。Webサイトからダウンロードする場合は、無料です。有料級のソフトウェアだとは思いますが、まずは無料版で試してみたい場合は、Webサイトからダウンロードしてみてください。ちなみに、機能に違いはありません。
1.ダウンロードサイトへ移動
Kekaのダウンロードサイトに移動します。
アプリをダウンロード
Webサイト内のダウンロードとバージョン(赤枠部分)が表示されている部分をクリックするとアプリがダウンロードされます。
インストール方法
インストール方法は、ダウンロードしたdmgファイルを開き、「Keka.app」をアプリケーションフォルダへドラッグ&ドロップで移動します。
以上で、Kekaのダウンロード方法とインストール方法の説明は終わりになります。
使用方法
最後に、実際の使用方法について説明します。今回は、パスワード付きZIPファイルの作成とISOファイルの作成方法について説明します。
パスワード付きZIPファイルの作成
まずは、パスワード付きZIPファイルの作成方法について説明します。
1.Kekaを起動しZIPを選択
アプリケーションフォルダに保存されているKekaを起動します。
右上のメニューからZIPを選択します。
2.パスワード設定
「パスワード」と「確認」に同じパスワードを入力します。
基本、パスワード付きZIPファイルの作成は上記設定で終わりです。それ以外にもいくつかオプション設定があるので説明します。
3.オプション設定
①圧縮法:圧縮率を設定。右に行くと圧縮率は高くなるが、圧縮時間が長くなります。左に行くと圧縮率は低くなるが、圧縮時間が短いです。ファイル容量を抑えたい場合に使用します。
②分割:圧縮したファイルを指定した容量で分割ができる設定です。1ファイルの容量を入力します。メールで1通の上限容量が決められている場合等に使用します。
③AES-256暗号化:強力な暗号化アルゴリズムです。ファイル送信先で暗号化に関する規定が設けられている場合等に使用します。チェックを入れることで、圧縮時間が長くなります。
④リソースフォーク:リソースフォークとは、Mac特有のファイル付加情報です。ファイルのアイコン情報等が含まれています。ファイル送信先がWindowsの場合、この設定をオンにしないと、ファイル解凍時、リソースフォークが分離されます。ファイル送信先がWindowsの場合、チェックを入れます。
以上のように、オプション設定では様々な設定があります。よく使用するのは、圧縮法とリソースフォークの設定になります。
4.ファイル圧縮
ファイルを圧縮する場合は、該当ファイルまたはフォルダをKekaのウィンドウにドラッグ&ドロップで移動します。
任意で名前と場所(保存先)を設定後、「圧縮」を選択します。
上記で指定した場所に、ZIP形式のファイルが保存されます。
動作確認
先程作成したパスワード付きZIPファイルを、macOS標準のアーカイブユーティリティで開くとパスワードを求められます。
以上で、パスワード付きZIPファイルの作成の説明は終わりになります。すごく簡単なので、パスワード付き圧縮ファイルをよく作成される方は是非使ってみてください!
ISOファイルの作成方法
次は、ISOファイルの作成方法を説明します。私が使用しているMacには、スーパードライブが備わっていない為、今回はイメージファイルをDVDと見立てて説明します。
1.Kekaを起動しISOを選択
Kekaを起動し、ファイル形式からISOを選択します。
2.ISOファイル作成
「ボリューム名」を入力後、マウントされているDVDをKekaのウィンドウに移動します。
名前と場所(保存先)を選択後、「圧縮」を選択します。
上記で指定した場所に、ISOファイルが保存されます。
以上で、ISOファイルの作成は終わりになります。ISOファイルは、CDやDVD、USBメモリ等のバックアップを作成する際によく使用します。ISOファイルは、Windowsでも使用できるファイル形式ですので、Windowsの方とやりとりする際も使用できます。
まとめ
本日は、下記3点について説明しました。
- Kekaの紹介
- ダウンロード&インストール方法
- 使用方法
Kekaは、macOSでパスワード付き圧縮ファイルを作成する際によく使用されます。また、圧縮率の高い、7zファイルやDVD等のバックアップする際に使用するISOファイルも作成できるので、とても便利なソフトです。今まで使ったことがない人は、是非一度使ってみてください!
これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!
それでは、次回のブログで!