はじめの情報処理安全確保支援士試験講座⑥TCPヘッダーについて説明します!

インフラ

先日、令和6年度秋期の情報処理安全確保支援士試験の申し込みを行いました。試験日は10月13日(日)で、試験まであと2ヶ月です。

今後も、過去の試験問題を解きながら、試験合格に必要な知識を深めていきたいと考えています。

今回は、TCPヘッダーについて説明します。

是非、最後までご覧いただけると嬉しいです。

TCPヘッダー

問題 TCPヘッダーに含まれる情報はどれか。

ア 宛先ポート番号

イ 送信元IPアドレス

ウ パケット生存時間(TTL)

エ プロトコル番号

引用:情報処理技術者試験 令和6年 春 午前Ⅱ問18

解答

TCPヘッダー

TCPヘッダーは、送信元ポート番号、宛先ポート番号、シーケンス番号、確認応答番号などの情報を含み、信頼性の高いデータ転送を実現するための制御情報を提供します。これにより、データの順序や整合性が保証されます。

各項目について、詳しく説明していきます。

送信元ポート番号

送信元ポート番号は、TCPヘッダー内で重要な役割を果たす16ビットのフィールドです。このポート番号は、送信元ホスト上で通信を開始するアプリケーションを識別するために使用されます。TCP通信において、ポート番号はアプリケーションプロセスを区別するために使われ、特定のアプリケーションにデータを適切に配信する役割を担います。

具体的には、送信元ポート番号は、クライアント側がサーバーと通信するために使用する一時的なポート番号です。通信を開始する際、クライアントは利用可能なポート番号の中から一つを選び、これを送信元ポート番号として使用します。これにより、サーバーからクライアントへの応答パケットが正しいポートに返され、正しいアプリケーションにデータが届けられることが保証されます。

例えば、クライアントがウェブサーバー(ポート80)に接続する際、送信元ポート番号はクライアント側で一時的に割り当てられたポート番号(例えばポート49152など)になります。サーバーからクライアントへの応答は、この送信元ポート番号を使ってクライアントの正しいアプリケーションに戻されます。

この仕組みにより、同じIPアドレスを持つ複数のアプリケーションが同時に異なる通信を行うことが可能となり、ネットワーク上でのデータのやり取りが効率的に行われます。

宛先ポート番号

宛先ポート番号は、TCPヘッダー内の16ビットのフィールドで、受信側ホスト上の特定のアプリケーションを識別するために使用されます。この番号は、データがどのアプリケーションに届けられるべきかを指定し、ネットワーク通信の重要な要素となります。

具体的には、クライアントがサーバーに接続する際、宛先ポート番号はサーバー上でサービスを提供する特定のアプリケーションを示します。例えば、ウェブサーバー(HTTP)への接続では宛先ポート番号は通常ポート80、HTTPSではポート443が使用されます。メールの送受信であれば、SMTPはポート25、IMAPはポート143、POP3はポート110などが用いられます。

クライアントがデータを送信するとき、そのデータはTCPヘッダーの宛先ポート番号に基づいて、受信側ホストの対応するアプリケーションに届けられます。これにより、受信ホストはデータを正しいアプリケーションプロセスに渡し、適切な処理を行います。

例えば、ユーザーがウェブブラウザを使用して特定のウェブサイトにアクセスする際、ブラウザはそのウェブサイトのサーバーのIPアドレスとポート80(HTTPの場合)を宛先としてTCP接続を確立します。このとき、TCPヘッダーの宛先ポート番号には80が設定され、ウェブサーバーはこのポート番号に基づいて受信したデータをウェブサービスに渡します。

この仕組みにより、TCP通信は効率的かつ確実に行われ、ネットワーク上のさまざまなアプリケーションが適切に動作することが保証されます。

シーケンス番号

シーケンス番号は、TCPヘッダーの32ビットのフィールドで、データの順序と信頼性を確保するために使用されます。この番号は、送信される各セグメントの位置を示し、受信側がデータを正しい順序で再構築できるようにします。

具体的には、TCP通信が開始されるとき、送信側は初期シーケンス番号(ISN)をランダムに選びます。以降、送信される各バイトにはシーケンス番号が割り当てられ、次のセグメントのシーケンス番号は前のセグメントのシーケンス番号にそのセグメント内のバイト数を加えたものになります。これにより、データの順序が保証されます。

例えば、あるクライアントがサーバーにデータを送信する場合、初期シーケンス番号が1000で、最初のセグメントに500バイトのデータが含まれているとすると、次のセグメントのシーケンス番号は1500になります。このようにして、受信側はシーケンス番号を確認し、受け取ったデータを正しい順序で組み立てることができます。

シーケンス番号はまた、データの欠落や重複を検出するためにも使用されます。受信側は受信したデータのシーケンス番号をチェックし、欠落しているセグメントがあれば再送を要求します。これにより、TCPは信頼性の高いデータ転送を実現します。

シーケンス番号の役割は、データの順序と整合性を保つことです。この番号があることで、TCP通信は信頼性が高く、エラーに強い通信を提供できるのです。

確認応答番号

確認応答番号は、TCPヘッダー内の32ビットのフィールドで、受信側が送信側に対して受信したデータを確認するために使用されます。この番号は、送信側に次に受信側が期待するシーケンス番号を示すもので、TCP通信の信頼性とデータの順序性を保証するために重要な役割を果たします。

具体的には、受信側は受け取ったデータの最後のバイトのシーケンス番号に1を加えた値を確認応答番号として送信側に返します。これにより、送信側はどこまでのデータが正しく受信されたかを知ることができ、次に送信すべきデータの開始位置を特定できます。

例えば、送信側がシーケンス番号1000から始まるデータを送信し、受信側がシーケンス番号1000から1499までのデータを正しく受信した場合、受信側は確認応答番号として1500を返します。これにより、送信側は次にシーケンス番号1500からのデータを送信することができます。

確認応答番号は、TCPのフロー制御とエラー制御にも関与しています。受信側がデータを正しく受け取ったことを確認応答番号で示すことで、送信側は再送の必要がないことを確認します。逆に、受信側が期待するシーケンス番号と異なるデータを受け取った場合、再送を要求することができます。

この仕組みによって、TCP通信は信頼性が高く、データの欠落や重複を防ぎ、適切なデータ転送を実現しています。確認応答番号は、TCPプロトコルが提供する信頼性の基盤となる重要な要素です。

データオフセット

データオフセットは、TCPヘッダー内の4ビットのフィールドで、ヘッダーの長さを示すために使用されます。このフィールドは、TCPヘッダーの先頭からデータ部分が始まる位置を表しており、ヘッダーがどれだけの長さで構成されているかを示します。データオフセットは、TCPヘッダーの最初の32ビットワード単位で計測されます。

具体的には、データオフセットはヘッダーの長さを32ビット(4バイト)単位で示します。例えば、データオフセットが5であれば、TCPヘッダーは5×4バイト=20バイトであり、この20バイト以降がデータ部分となります。通常、オプションフィールドを含まない標準的なTCPヘッダーの長さは20バイトであるため、データオフセットは5となります。

データオフセットの役割は以下の通りです:

  1. ヘッダーとデータの区切り
    データオフセットを使うことで、受信側はTCPセグメントのどこからデータが始まるかを正確に知ることができます。これにより、TCPヘッダーの解析とデータ部分の処理が効率的に行われます。
  2. ヘッダーの柔軟性
    TCPヘッダーにはオプションフィールドが含まれる場合があり、これによりヘッダーの長さが可変になります。データオフセットはこの可変長ヘッダーの終わりを示すため、受信側は正確にデータ部分を特定できます。
  3. プロトコルの互換性
    データオフセットを使用することで、TCPは固定長のヘッダーを持たないため、将来的な拡張やオプションの追加に柔軟に対応できます。

データオフセットは、TCPヘッダーの解析において重要な役割を果たし、データの正確な受信と処理を保証するための基本的な要素です。このフィールドが正しく設定されていることで、TCP通信は効率的かつ信頼性の高いものとなります。

予約

予約フィールドは、TCPヘッダー内の4ビットのフィールドで、将来的な使用のために予約されています。このフィールドは現在使用されておらず、常にゼロに設定されることが要求されます。予約フィールドは、TCPヘッダー内で他のフィールドと区別するために重要な役割を果たします。

予約フィールドの主な役割は以下の通りです:

  1. 将来的な拡張のための準備
    予約フィールドは、TCPプロトコルが将来的に新しい機能やオプションを追加するためのスペースとして確保されています。このフィールドを利用することで、プロトコルの後方互換性を維持しながら新しい機能を導入することが可能となります。
  2. プロトコルの柔軟性の確保
    プロトコル設計において、将来的な拡張性を考慮することは重要です。予約フィールドは、現時点では使用されていないものの、将来的なニーズに対応できるようにするための準備として機能します。
  3. ヘッダーの整合性の維持
    予約フィールドは常にゼロに設定されることが要求されるため、TCPヘッダーの他のフィールドと区別するための一貫した基準を提供します。これにより、ヘッダーの解析が容易になり、プロトコルの信頼性が向上します。

例えば、TCPヘッダーの一部が将来的に拡張される場合、予約フィールドは新しいフラグやオプションのためのスペースとして利用されることがあります。このような場合でも、既存のTCP実装との互換性を維持するために、予約フィールドが適切に使用されることが重要です。

まとめると、TCPヘッダーにおける予約フィールドは、将来的な拡張やプロトコルの柔軟性を確保するための重要な要素であり、常にゼロに設定されることでヘッダーの整合性を維持しています。このフィールドの存在により、TCPプロトコルは将来の技術的進化に対応できるようになります。

コントロールフラグ

コントロールフラグは、TCPヘッダー内の重要なフィールドで、TCPセグメントの状態や制御情報を示すために使用されます。これらのフラグは1ビットずつで構成され、各フラグの設定によって特定のTCP操作やイベントを指示します。TCPヘッダーには、以下の6つの主要なコントロールフラグが含まれます:

  1. URG (Urgent Pointer field significant)
    URGフラグがセットされていると、TCPヘッダーの緊急ポインターフィールドが有効であることを示します。これは、緊急データが含まれていることを受信側に知らせ、緊急データを優先的に処理させるために使用されます。
  2. ACK (Acknowledgment field significant)
    ACKフラグがセットされていると、TCPヘッダーの確認応答番号フィールドが有効であることを示します。ほとんどのTCPセグメントにはこのフラグがセットされており、受信側が送信側に対して受信確認を行うために使用されます。
  3. PSH (Push Function)
    PSHフラグがセットされていると、送信側が受信側に対して、バッファリングせずにすぐにデータをアプリケーションに渡すよう指示します。これにより、リアルタイム性が求められるデータの即時処理が可能となります。
  4. RST (Reset the connection)
    RSTフラグがセットされていると、接続をリセットすることを示します。このフラグは、エラーが発生した場合や異常な状況において接続を即座に終了させるために使用されます。
  5. SYN (Synchronize sequence numbers)
    SYNフラグがセットされていると、接続の確立を開始することを示します。TCPの3ウェイハンドシェイクの一部として、シーケンス番号を同期するために使用されます。接続の開始時にのみ使用され、初期シーケンス番号を交換する役割を果たします。
  6. FIN (Finish sending data)
    FINフラグがセットされていると、送信側がデータ送信を完了したことを示します。これにより、接続の終了手続きを開始します。受信側はこのフラグを受け取ると、データの受信を終了し、接続を閉じる準備をします。

これらのコントロールフラグは、TCP通信の確立、維持、および終了の過程で重要な役割を果たします。各フラグの組み合わせにより、TCPは柔軟かつ信頼性の高い通信を提供し、さまざまなネットワーク条件下でも適切に動作することが可能となります。

ウインドウサイズ

ウインドウサイズは、TCPヘッダー内の16ビットのフィールドで、受信側が現在受け取ることができるデータの最大量をバイト単位で示します。これは、フロー制御のために使用され、送信側が一度に送信できるデータ量を制限することで、受信側が処理能力を超えるデータを受信しないようにします。

具体的には、ウインドウサイズは次のように機能します:

  1. フロー制御
    受信側は、自分の受信バッファの空き容量に基づいてウインドウサイズを設定し、送信側に通知します。送信側はこの情報を基に、一度に送信するデータ量を調整します。これにより、受信側がデータを効率的に処理できるようになります。
  2. ウインドウスライディング
    TCPはスライディングウインドウプロトコルを使用して、データ送信と確認応答を管理します。送信側はウインドウサイズの範囲内で連続してデータを送信し、受信側からのACK(確認応答)を受け取ると、ウインドウを前進させて新しいデータを送信します。これにより、送信と受信の同期を保ちながら効率的にデータを転送できます。
  3. 動的調整
    ウインドウサイズは通信の状況に応じて動的に変化します。受信側のバッファに空きが増えればウインドウサイズも大きくなり、逆にバッファが埋まればウインドウサイズは小さくなります。この動的調整により、ネットワークの輻輳や受信側の過負荷を防ぎます。

例えば、受信側のウインドウサイズが5000バイトと設定されている場合、送信側は最大で5000バイトのデータを一度に送信できます。受信側がこのデータを受信し、処理してバッファに空きができると、新しいウインドウサイズを送信側に通知します。これにより、送信側は新たなデータを送信できるようになります。

ウインドウサイズはTCP通信の効率と信頼性を高めるために不可欠な要素です。受信側の処理能力に合わせて送信データ量を調整することで、ネットワークのスループットを最適化し、データの損失や再送を防ぐことができます。

チェックサム

チェックサムは、TCPヘッダー内の16ビットのフィールドで、データの整合性を確認するために使用されます。このフィールドは、TCPセグメント(ヘッダーとデータ部分)の誤り検出を行うために、送信側で計算され、受信側で検証されます。

具体的な動作は以下の通りです:

  1. チェックサムの計算
    送信側は、TCPヘッダーとデータ部分に加え、疑似ヘッダーと呼ばれる特定の情報(送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロトコル番号、TCPセグメントの長さ)を使ってチェックサムを計算します。これにより、TCPセグメント全体の整合性を確保します。チェックサム計算には、1の補数和が使用されます。
  2. チェックサムの挿入
    計算されたチェックサムは、TCPヘッダー内のチェックサムフィールドに挿入されます。送信側は、このチェックサムをTCPセグメントと一緒に送信します。
  3. 受信側での検証
    受信側は、受信したTCPセグメントのチェックサムを再計算し、ヘッダーのチェックサムフィールドにある値と比較します。両者が一致すればデータが正しく受信されたと判断し、不一致であればデータに誤りが含まれていると判断します。この場合、受信側は誤りのあるデータを破棄し、送信側に再送を要求します。
  4. 疑似ヘッダーの役割
    チェックサムの計算において疑似ヘッダーが使用されるのは、TCPセグメントのデータ部分が正しいだけでなく、セグメントが正しい送信元と宛先に送られたことを確認するためです。これにより、IPアドレスやプロトコル番号の誤りも検出可能です。

チェックサムの役割は、以下の通りです:

  • データの整合性確保
    チェックサムは、データが送信中に破損していないことを保証します。これにより、ネットワーク上でのデータ転送の信頼性が向上します。
  • エラー検出
    チェックサムを使用することで、データの受信中に発生したビットエラーを検出できます。エラーが検出された場合、再送要求が行われ、データの正確な伝送が保証されます。
  • プロトコルの信頼性向上
    TCPは信頼性の高いプロトコルであり、チェックサムはその信頼性を支える重要な要素です。データの正確性を確保することで、アプリケーション間の通信が円滑に行われます。

チェックサムは、TCP通信においてデータの整合性と信頼性を確保するための基本的なメカニズムであり、エラーの検出と訂正を助ける重要な役割を果たします。

緊急ポインタ

緊急ポインタは、TCPヘッダー内の16ビットのフィールドで、緊急データの終端位置を示すために使用されます。このフィールドは、URGフラグがセットされている場合に有効となり、緊急データがどこまで続くかを受信側に通知します。緊急ポインタは、TCPセグメントのデータ部分内のバイトオフセットを示します。

緊急ポインタの役割と機能は以下の通りです:

  1. 緊急データの処理
    緊急データとは、他のデータよりも優先して処理されるべきデータです。例えば、接続の終了や重要な制御メッセージなどがこれに該当します。送信側は、緊急データが含まれている場合、URGフラグをセットし、緊急ポインタで緊急データの終端を指定します。
  2. 緊急データの範囲
    緊急ポインタは、現在のシーケンス番号から緊急データの最後のバイトまでのオフセット値を示します。例えば、現在のシーケンス番号が1000で、緊急ポインタの値が50の場合、緊急データはシーケンス番号1000から1049までの範囲になります。
  3. 受信側の処理
    受信側は、URGフラグと緊急ポインタを確認し、緊急データを優先的に処理します。通常、緊急データはバッファリングされず、直接アプリケーションに渡されます。これにより、重要なメッセージが迅速に処理されることが保証されます。
  4. アプリケーションレベルの利用
    TCPの緊急モードは、アプリケーションが特定のデータを緊急としてマークし、迅速に処理する必要がある場合に使用されます。例えば、Telnetの中断キー操作など、ユーザーが即座に反応を求める場合に利用されます。
  5. 制御情報の伝達
    緊急ポインタを使用することで、TCPは単なるデータ転送だけでなく、制御情報の伝達も行うことができます。これにより、TCPは柔軟かつ高機能な通信プロトコルとなっています。

緊急ポインタは、TCP通信において緊急データを迅速に処理するための重要なメカニズムです。URGフラグとともに使用されることで、重要なデータが適切なタイミングで処理され、通信の信頼性と効率性が向上します。

オプション

TCPヘッダーのオプションは、TCP(Transmission Control Protocol)のデータパケットにおいて追加の情報を提供するために使用される可変長のフィールドです。これにより、特定の状況で必要な機能や制御情報を伝えることができます。オプションフィールドは、TCPヘッダーの基本的な20バイトを超えて追加されるもので、その長さは4バイトの倍数で構成されます。オプションの総合長は最大で40バイトです。

主なTCPオプションには以下のようなものがあります:

  1. NOP(No Operation)
    このオプションは、特に役割を持たず、オプションフィールドの調整やパディングのために使用されます。
  2. MSS(Maximum Segment Size)
    MSSは、TCP接続において送信される最大セグメントサイズ(ペイロード部分の最大バイト数)を指定します。これにより、ネットワークのMTU(Maximum Transmission Unit)を超えるサイズのパケットが送信されないようにします。
  3. Window Scale
    ウィンドウサイズ拡張オプションであり、ウィンドウサイズフィールドを拡大するためのスケール値を指定します。これにより、TCPウィンドウサイズが通常の16ビットから32ビットに拡張され、大きなデータ転送が可能になります。
  4. SACK(Selective Acknowledgment)
    このオプションは、受信者が受け取ったパケットの特定の範囲を送信者に通知するために使用されます。SACKは、複数のパケットの損失や再送信を効率的に処理するのに役立ちます。
  5. Timestamp
    タイムスタンプオプションは、ラウンドトリップ時間の測定やシーケンス番号の再利用問題の解決に使用されます。これにより、接続のパフォーマンスと安定性が向上します。

TCPオプションフィールドは、柔軟なプロトコル拡張を可能にし、TCP通信の効率と信頼性を向上させるための重要な要素となっています。

パディング

TCPヘッダーのパディングは、ヘッダー全体の長さが32ビット(4バイト)の倍数になるように調整するために使用されるフィールドです。TCPヘッダーの標準的な長さは20バイトですが、オプションフィールドが追加される場合、その長さは可変となります。オプションフィールドの長さが4バイトの倍数でない場合、パディングが必要です。

パディングは通常、「0」で埋められ、特定の情報を持つわけではありません。その役割は主に、TCPセグメントの全体的な構造を整えることです。これにより、ネットワーク機器がTCPヘッダーとデータを適切に処理しやすくなり、データの転送が効率的に行われます。

TCPヘッダーの長さは「ヘッダー長」フィールドによって指定され、このフィールドの値は4バイト単位で表されます。したがって、オプションフィールドを含むヘッダーの長さが4バイトの倍数になるようにパディングが挿入されることが保証されています。パディングはTCPヘッダーの最後に配置され、実際のデータ部分との間に挿入されます。

まとめ

今回は、下記について説明しました。

  • TCPヘッダー

TCP通信でやり取りされるデータの先頭部分には、TCPヘッダーと呼ばれる情報が含まれています。このヘッダーには、宛先やデータの種類といった情報が書かれており、これらを理解することで、TCP通信がどのように行われているのかを詳しく知ることができます。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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