はじめのProfessional Cloud Data Engineer認定取得講座⑦BigQuery Omni、BigQueryクラスタ化テーブル、Google Cloud への大規模データセット移行ガイドについて説明します!

クラウド

今回も、Professional Cloud Data Engineer認定取得するために、私が勉強した内容をアウトプットしていきます。

今回は、BigQuery Omni、BigQueryクラスタ化テーブル、Google Cloud への大規模データセット移行ガイドについて説明します!

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです!

BigQuery Omni

BigQuery Omniは、ユーザーがAWSやAzureといった他のクラウド環境に保存されたデータをGoogle Cloudへ移動させることなく、直接分析できる革新的なサービスです。これにより、従来は煩雑だったデータの移行作業や重複保存の手間を省きつつ、セキュアかつ効率的な分析基盤を構築できます。さらに、使い慣れたBigQueryのインターフェースをそのまま利用できるため、新たなツールの学習コストも不要です。マルチクラウド戦略を採用する企業にとって、BigQuery Omniはデータ活用の柔軟性を飛躍的に高める重要な選択肢となります。

BigQuery Omniの仕組み

BigQuery Omniでは、Google Cloud上のコントロールプレーンが、AWSやAzure上に展開されたBigQueryのコンピューティングクラスタ(データプレーン)を管理・連携します。ユーザーがBigQueryからクエリを発行すると、そのクエリはデータが実際に存在するAWSやAzure上のクラスタで処理され、結果のみがユーザーインターフェースに返されます。データ自体がクラウドの境界を越えて移動することはありません。

BigQuery Omniのポイント

マルチクラウドの課題解決

多くの企業がAWSやAzureなど複数のパブリッククラウドを利用していますが、データが分散しているため、分析するにはデータを一箇所に集約する必要があり、時間とコストがかかっていました。BigQuery Omniはこの課題に対応します。

データ移動が不要

BigQuery Omniは、Googleのハイブリッド/マルチクラウドプラットフォームであるAnthosを利用して、BigQueryのクエリエンジンをデータが実際に存在するクラウド(AWS S3やAzure Blob Storage)上で直接実行します。

仕組み

  • ユーザーはGoogle Cloud上のBigQueryインターフェースからクエリを発行します。
  • BigQuery Omniがそのクエリを、データが保管されているAWSやAzure内のAnthosクラスタ上で実行します。
  • データはその場所で処理され、クエリ結果のみがセキュアにBigQueryインターフェースに返されます。元データ自体は移動しません。

BigQuery Omniのメリット

  • 統一されたインターフェース:データの場所に関わらず、単一のBigQuery画面と標準SQLで分析できます。
  • コスト削減:クラウド間の高額なデータ転送料金や、データコピーのためのストレージコスト、複雑なETLパイプラインの構築・維持コストを削減できます。
  • 迅速なインサイト:データ移動の手間がないため、より迅速に分析を開始し、インサイトを得られます。
  • セキュリティとガバナンス:データがクラウド境界を越えないため、セキュリティポリシーやコンプライアンス要件を満たしやすくなります。

ユースケース

BigQuery Omniは、以下のような場合に特に有効です。

  • 規制やポリシーにより、データを特定のクラウドから移動できない場合。
  • データレイクが複数のクラウドに分散している場合。
  • 既存のマルチクラウド環境で、BigQueryの強力な分析機能やエコシステム(Lookerなど)を活用したい場合。

まとめ

BigQuery Omniは、マルチクラウド環境におけるデータ分析の障壁を取り払い、より柔軟で効率的なデータ活用を実現する強力なソリューションです。データのサイロ化を防ぎ、すべてのデータをBigQueryの統一されたインターフェースから分析可能にすることで、企業はより迅速な意思決定とデータに基づいたインサイト獲得を進めることができます。

BigQueryクラスタ化テーブル

BigQueryクラスタ化テーブルの概要

BigQueryクラスタ化テーブルは、テーブル内のデータを、指定した1つ以上の列(クラスタリング列、最大4つまで)の値に基づいて物理的に並べ替えて格納する機能であり、これにより同じまたは類似した値を持つ行がストレージ内で近接して配置されます。

目的とメリット

クラスタリング列をフィルタ条件(WHERE句)に使用したり、集計(GROUP BY)したりするクエリでは、BigQueryが不要なデータブロックを効率的にスキャン対象から除外(プルーニング)できるため、特にパフォーマンスが向上します。また、スキャンするデータ量が減少することから、オンデマンド料金モデルを利用している場合にはクエリコストの削減にも繋がります。

仕組み

テーブルを作成する際に CLUSTER BY 句を用いてクラスタリング列を指定します。その後、BigQueryはデータの読み込みやDML操作(挿入、更新、削除など)が行われると、バックグラウンドで自動的にデータを並べ替えてクラスタリングを維持する「自動再クラスタリング」を実行します。

パーティショニングとの関係

クラスタ化は、テーブル分割(パーティショニング)と組み合わせて利用することが可能です。パーティショニングは、主に日付/タイムスタンプ列や整数列に基づいてテーブルを大きなセグメント(パーティション)に分割し、パーティション単位でのプルーニングを可能にする一方で、クラスタリングは、そのパーティション内(またはパーティション化されていないテーブル全体)で、より細かなブロックレベルでのデータプルーニングを可能にします。したがって、これら両方の機能を併用することで、より効率的なデータプルーニングが実現できます。

クラスタリング列の選択

クラスタリング列の選択においては、頻繁にフィルタリングされる列を選ぶのが効果的です。また、カーディナリティ(一意な値の数)がある程度高い列が適していますが、高すぎない方が良い場合もあります。複数の列を指定する際には、フィルタでよく使われる順序で指定することが推奨されます。

ユースケース

  • 特定のID(顧客ID、トランザクションIDなど)で頻繁に検索するテーブル。
  • 複数の列の組み合わせで頻繁にフィルタリングを行うテーブル。
  • 日付やタイムスタンプなどの時間に関連する列で頻繁に絞り込みや集計を行うテーブル。

BigQueryクラスタ化テーブルのまとめ

BigQueryクラスタ化テーブルは、クラスタリング列に基づいてデータを並べ替えることで、クエリのパフォーマンス向上とコスト削減を実現する仕組みです。パーティショニングと併用することで、より効果的なデータプルーニングが可能になります。クラスタリング列は、フィルタ頻度やカーディナリティを考慮して選定することが重要です。検索や集計が多いテーブルに特に有効です。

Google Cloud への大規模データセット移行ガイド

デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、オンプレミスや他クラウド環境から Google Cloud への大規模データ移行ニーズが増加しています。特にテラバイト〜ペタバイト規模のデータを安全かつ効率的に移行するには、戦略的な計画と適切なツールの選定が不可欠です。

移行のメリット

Google Cloud に大規模データを移すことで、スケーラビリティや柔軟性、BigQuery や Vertex AI による高度な分析、コスト最適化、インフラ管理の簡素化といった利点が得られます。

主なデータ転送オプション

オンライン転送

  • Storage Transfer Service:AWS S3 やオンプレミスの NFS/HDFS から Cloud Storage へ。定期的な同期やスケジューリングも可能。
  • Transfer Service for on-premises data:オンプレミスのファイルサーバーや HDFS から Cloud Storage へ差分転送も含め効率的に移行。
  • gsutil:コマンドラインでの転送に最適。スクリプトとの併用が可能で小〜中規模データ向け。
  • BigQuery Data Transfer Service:SaaS や外部クラウドから BigQuery への自動データ取り込み。
  • Database Migration Service:オンプレミスや他クラウドの DB を Cloud SQL などへ最小限のダウンタイムで移行。

オフライン転送

  • Transfer Appliance:数百TB〜PB級のデータを物理デバイス経由で移行。ネットワーク帯域に制限がある場合に有効。

転送方法選定のポイント

  • データ量とネットワーク帯域、移行時間の制約を基に検討します。
  • セキュリティ要件やデータ形式、ダウンタイム許容度も考慮します。
  • 例:数TBで帯域が十分 → Storage Transfer Service / gsutil、数十TB超で帯域制限あり → Transfer Appliance。

移行ステップ

  1. 評価:移行対象の特定、要件の整理。
  2. 計画:ツール選定、スケジュール・コスト・セキュリティ対策の策定。
  3. 実行:パイロット移行と監視。
  4. 検証:データ完全性・性能・セキュリティの確認。

セキュリティとモニタリング

暗号化、アクセス制御、IAM ポリシーの設定に加え、Cloud Logging や Cloud Monitoring による監視で、安全な移行を実現しましょう。IAM ポリシーの設定、ネットワークセキュリティの確保などが不可欠です。また、Cloud Logging や Cloud Monitoring を活用して転送状況を監視し、問題が発生した場合には迅速に対応できるように準備しておくことが重要です。

まとめ

Google Cloud への大規模データセット移行は、適切なツールと戦略を選択し、計画的に実行することで、ビジネスに大きな価値をもたらします。Storage Transfer Service、Transfer Service for on-premises data、Transfer Appliance といった多様なオプションを理解し、データ量、帯域幅、時間的制約、セキュリティ要件などを総合的に考慮して、自社のニーズに最適な移行パスを見つけ出してください。

まとめ

今回は、下記3点について説明しました。

  1. BigQuery Omni
  2. BigQueryクラスタ化テーブル
  3. Google Cloud への大規模データセット移行ガイド

本記事では、BigQuery Omniによるマルチクラウド環境での柔軟なデータ分析、BigQueryクラスタ化テーブルを用いたクエリ最適化、そしてGoogle Cloudへの大規模データ移行戦略について解説しました。これらの技術や手法を適切に活用することで、より迅速かつ効率的なデータ活用が可能となり、ビジネスの意思決定力を高めることができます。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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