はじめのコラム⑫スタッフエンジニアと今後のキャリアについてお話します!

コラム

最近、オライリー・ジャパンの「スタッフエンジニアの道(優れた技術専門職になるためのガイド)」という書籍を読みました。

スタッフエンジニアの道
キャリアアップを目指すシニアソフトウェアエンジニアには、2つの異なる道があります。一つは、管理職への道。マネジメントスキルを磨き、チームや組織を導く道です。この道については、多くの研究がなされ、スキルを向上させるための書籍も数多く存在します...

クラウドエンジニアに転職してから、今年の10月で3年が経とうしています。今までのキャリアを考えると、3年が1つのキャリアプランの期間だと考えています。

そんな中、図書館でたまたま見つけた本が、上記書籍でした。

この本を読んで、今後のキャリアプランについて、再考したので、今回はそれについてお話しようと思います。

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです!

スタッフエンジニアとは

スタッフエンジニアは、多くのIT企業において、シニアエンジニアの次に位置づけられる高度な技術専門職です。マネジメント職(管理職)とは異なり、コードや設計など現場に近い技術力を持ちながら、その影響範囲を個別のチームから組織全体へと広げ、複雑な技術課題を解決に導く役割を担います。

日本語では「参謀」と訳されることもあり、単なるトップクラスのプログラマーではなく、技術的な視点から経営層や事業責任者を補佐し、組織全体の技術戦略や方向性に深く関与する重要なポジションです。

主な役割と責任

スタッフエンジニアの具体的な職務は企業によって様々ですが、共通して以下のような役割が期待されます。

役割具体的な活動内容
技術戦略の策定と推進長期的なビジネス目標に基づき、会社全体の技術的な方向性やビジョンを策定し、その実現を主導します。新しい技術の導入検討や、全社的な開発標準の策定なども行います。
複雑な技術課題の解決とアーキテクチャ設計複数のチームやシステムにまたがる、複雑で解決が困難な技術的問題に取り組みます。スケーラビリティや保守性、セキュリティなどを考慮した、持続可能なシステムアーキテクチャの設計とレビューに責任を持ちます。
組織横断的な課題の解決特定のチームに所属しない、あるいは複数のチームの境界領域で発生する問題(いわゆる「グルーワーク」)を拾い上げ、解決に導きます。部門間のサイロ化を防ぎ、円滑な連携を促進します。
メンタリングと技術文化の醸成シニアエンジニアを含む他のエンジニアの模範となり、技術的な指導やキャリア相談を通じて成長を支援します。勉強会の開催やドキュメンテーション文化の推進など、組織全体の技術力向上に貢献します。
重要事項の意思決定への関与技術的な知見を活かして、経営会議や事業戦略会議に参加し、重要な意思決定に影響を与えます。技術的負債の返済計画や大規模なリファクタリングなど、ビジネスインパクトの大きい提案を行うこともあります。

シニアエンジニアとの違い

スタッフエンジニアはシニアエンジニアの上位職ですが、その違いは単なる技術力の高さだけではありません。最も大きな違いは「影響範囲の広さ」と「問題解決の抽象度」にあります。

  • シニアエンジニア
    • 影響範囲:主に自身が所属するチームの生産性やアウトプットに責任を持つ。
    • 役割:チームの技術的リーダーとして、特定のプロダクトや機能開発を成功に導く。明確な課題に対して、高品質なコードや設計で貢献する。
  • スタッフエンジニア
    • 影響範囲:チームの枠を超え、複数のチームや部門、会社全体の成功に責任を持つ。
    • 役割:組織全体を俯瞰し、まだ明確になっていない、あるいは定義されていない曖昧で複雑な問題を発見・定義し、解決の道筋をつける。

簡潔に言えば、シニアエンジニアが「与えられた、あるいはチーム内の課題をどう解決するか(How)」に注力するのに対し、スタッフエンジニアは「組織全体として何に取り組むべきか(What, Why)」という、より上流の段階から関与します。

求められるスキル

スタッフエンジニアとして活躍するためには、高度な技術力に加えて、以下のようなスキルが不可欠です。

  • 深い技術的専門性と広い視野:特定分野における第一人者レベルの知識と、システム全体やビジネスへの影響を見渡せる俯瞰的な視点を両立していること。
  • 卓越したコミュニケーション能力:複雑な技術的コンセプトを、エンジニアでないステークホルダー(経営層、プロダクトマネージャーなど)にも分かりやすく説明し、合意形成を図る能力。
  • リーダーシップと影響力:肩書きや権限に頼らず、技術的な洞察力や人間的な信頼によって周囲を巻き込み、物事を前に進める力。
  • ビジネスへの深い理解:会社のビジネスモデル、市場、顧客のニーズを深く理解し、それを技術的な意思決定に結びつける能力。

キャリアパス

スタッフエンジニアは、エンジニアリングの専門性を追求したい人にとっての魅力的なキャリアパスの一つです。その後のキャリアとしては、以下のような道が考えられます。

  • プリンシパルエンジニア (Principal Engineer):スタッフエンジニアよりさらに影響範囲が広く、業界全体にも影響を与えるような技術的リーダー。
  • ディスティングイッシュトエンジニア (Distinguished Engineer) / フェロー (Fellow):企業内で一握りの、最高レベルの技術職。
  • 管理職への転向:エンジニアリングマネージャーやCTO(最高技術責任者)など、人の管理や組織運営に主軸を移すキャリア。

近年、日本でもスタッフエンジニアのポジションを設ける企業が増えており、エンジニアがマネジメント職以外の道でキャリアを築いていく上での重要な選択肢として注目されています。

スタッフエンジニアに求められる視座と戦略思考

スタッフエンジニアという役割は、単に技術に長けているだけでは務まりません。組織の中で技術的リーダーシップを発揮するには、広い視野と戦略的な思考が求められます。この章では、そのために必要なスキルとマインドセットについて考えていきます。

全体像を捉える力

スタッフエンジニアは、常に「今、何が起きているのか?」という問いを持ち続ける必要があります。それは自分の担当範囲にとどまらず、プロジェクト全体、チーム全体、さらには顧客やビジネスの動向まで含みます。そのためには、意図的に情報を取りに行く姿勢が重要です。

  • グループ外の仲間との対話
  • 顧客との接点を持つ
  • 意思決定のプロセスを理解する

これらのアクションを通して、自分の仕事を「コンテキストの中で理解する」ことができます。

情報の流れを設計する

スタッフエンジニアは、組織における情報の「ハブ」になる必要があります。必要な情報が自然に自分に届くような仕組みを整えることで、意思決定の質を高めることができます。

  • 信頼されるネットワークの構築
  • チャネルや会議体の活用
  • 組織目標と個人目標の接続

自分や周囲が目指すゴールを明確にすることは、チームを導くうえでも大切な基盤です。

技術ビジョンと戦略のバランス

スタッフエンジニアの重要な役割のひとつに、技術ビジョンと戦略の策定があります。
ビジョンは未来を語り、戦略はその道筋を示します。どちらも一人で完結するものではなく、チーム全体を巻き込んで進めていくものです。

  • 少人数のコアグループでの起草
  • 広範なステークホルダーからの意見収集
  • スポンサーシップの確保
  • ストーリーとして語れる構造化

また、ドキュメントの完成には時間がかかります。話し合い、再検討、修正を何度も繰り返す粘り強さも必要です。

スタッフエンジニアとしての視座を持つ

スタッフエンジニアは、戦術レベルに留まらず戦略レベルで価値を出すことが求められます。技術の深さと同時に、組織・人・プロセスを理解する幅広い視座が必要です。
目の前のコードだけでなく、組織が進む方向、自分のキャリアの方向性までも含めて設計できるよう、日々の業務にあたることが重要です。

今後のキャリア

今後のキャリアを考えたとき、私は、マネージャー職よりも技術職を追求していきたいと考えています。また、自分が習得した知識や経験を常にアウトプットすることで、自分以外の人の成長に貢献したいという想いが強いです。

業務では、プロジェクトマネージャーという立場で、チームメンバーのマネージメントを行うこともありますが、自分自身、知らないことやできないことができるのが楽しいので、手を動かして、プログラミングをしたり、サーバーを構築したりします。

そのようなことを考えた場合、自分の目指すべき姿はスタッフエンジニアだと考えています。

まだまだスタッフエンジニアとはほど遠い知識量や技術ですが、今後も、自分に対して負荷を与えることで自分を高めていきたいと考えています。

私自身、人とのコミュニケーションが苦手ということがあるので、そこは克服をして、グループ内外のメンバーともコミュニケーションを行うことで、コミュニティを構築していきたいと考えています。

まとめ

今回は、下記3点についてお話しました。

  1. スタッフエンジニアとは
  2. スタッフエンジニアに求められる視座と戦略思考
  3. 今後のキャリア

今回は、図書館でたまたま見つけた書籍から、自分の今後のキャリアについて再考したので、それについてお話しました。会社にいると、どうしてもマネージャー職になることを勧められますが、私自身は、一生エンジニアとして生きていきたいと考えています。これからも、学習したことや検証したことは、このブログを通してアウトプットしていきます。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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