今回から2回に分けて、Adobe After Effects初心者の方に向けて、After Effectsの基本操作とアニメーションの作成方法について説明します。
私は、仕事柄、Adobeソフトの講習を行っています。その経験を活かして、Adobeソフトの操作方法について説明します。
After Effectsとは
After Effectsとは、モーショングラフィックス等のアニメーションを作成する際に使用されるソフトウェアで、短い動画を作成するのに向いています。例えば、動物のイラストを動かして、かんたんなアニメーションを作成することができます。
前回まで説明したAdobe Premiere Proは、長い動画を作成するのに適したソフトウェアです。After Effectsは、短い動画を作成するのに適したソフトウェアで、After Effectsで作成したアニメーションを素材として、Premiere Proで使用します。
After Effects作業手順
After Effectsでの作業手順は以下になります。
- プロジェクトの作成
- コンポジションの作成
- フッテージ(素材)の読み込み
- アニメーション(動き)の設定
- プレビュー確認
- 書き出し
以上、6工程が基本的な作業手順になります。
初期画面とディスクキャッシュ
After Effectsを起動すると、下記画面が開きます。
初回起動時は、「警告」のダイアログボックスが開きます。この警告は、After Effectsは、使用の際、キャッシュファイルという一時ファイルを多数作成します。それにより、内蔵ドライブが圧迫されてしまうので、環境設定でキャッシュファイルの容量を抑える設定をするか、キャッシュファイルが保存される場所を外部ディスク等に変更する必要があります。
私がAfter Effectsを使用する際は、通常外部ディスクを使用し、そこにキャッシュファイルが保存されるように設定します。それにより、内蔵ディスクの容量を確保することができます。
設定は、「After Effects」→「環境設定」→「メディア&ディスクキャッシュ」から変更します。
Macの場合、ディスクキャッシュの保存先は、「Macintosh HD/Users/ユーザ名/Library/Caches」に保存されます。変更する場合、「フォルダーを選択」を選択して、任意の場所(外部ディスク等)を選択します。
初期起動時は、チュートリアルウィンドウが開きますが、右上の罰点で閉じておきます。
スタート画面の左上にある「新規プロジェクト」を選択します。
すると各種パネルの画面が開きます。
パネルの説明
After Effectsの初期設定は5つのパネルで構成されています。
①ツールパネル
ツールパネルは、After Effectsで使用するツール(道具)のパネルです。各ツールを選択(クリック)すると切り替えることができます。
②プロジェクトパネル
プロジェクトパネルは、素材を管理するパネルです。After Effectsでは、素材のことを「フッテージ」と呼びます。
③コンポジションパネル
コンポジションとは、After Effectsで作成する「箱」で、土台のようなものになります。コンポジションパネルは、アニメーションの編集やプレビューを確認するパネルです。
④タイムラインパネル
タイムラインパネルは、素材は配置してアニメーション設定や編集を行うパネルです。
⑤各種パネル
各種パネルは、様々な設定を行うパネルです。パネルの表示、非表示は、「ウィンドウ」メニューから行うことができます。表示されているパネルの左側にチェックマークが表示されます。
コンポジション
コンポジションとは、After Effectsで作成する「箱」で、土台のようなものになります。After Effectsで制作物を作成する際、最初に作成するものです。
「コンポジション」メニュー→「新規コンポジション」を選択します。
コンポジションの設定画面が開きます。
①コンポジション名:コンポジションの名前を設定します。
②プリセット:様々な設定のセットです。
③サイズ:アニメーションのサイズ設定です。
④ピクセル縦横比:ピクセルの縦横の比率設定です。
⑤フレームレート:フレームレートとは、1秒間に表示する画像(フレーム)数の設定です。
⑥解像度:解像度設定です。
⑦開始タイムコード:開始タイムコードの設定です。
⑧デュレーション:アニメーションの長さの設定です。
⑨背景色:アニメーションの背景色の設定です。
今回は、初期設定のまま進めますので、右下の「OK」を選択します。すると、プロジェクトパネルに「コンポ1」が作成されます。
アニメーションの作り方
それでは、実際にアニメーションを作成します。
下記、素材データをダウンロードしてください。
今回は、この赤い円を使って簡単なアニメーションを作成します。
1.フッテージ(素材)の読み込み
フッテージ(素材)の読み込みを行います。
「ファイル」メニュー→「読み込み」→「ファイル」を選択します。
ダウンロードした「circle.png」を選択し、「開く」を選択します。
すると、プロジェクトパネルに読み込みます。
2.タイムラインパネルに配置
読み込んだ「circle.png」にアニメーション設定を行うため、タイムラインに配置します。
プロジェクトパネルにある「circle.png」をドラッグして、タイムラインパネルに配置します。
タイムラインパネルへ配置すると、コンポジションパネルに「circle.png」が表示されます。
3.トランスフォーム展開
タイムラインパネルの「circle.png」の左側にある矢印を選択して、「トランスフォーム」を展開します。
ツールパネルで選択ツールが選択されていることを確認します。コンポジション内の「circle.png」を選択し、「shiftキー」を押しながらコンポジションの左端に配置します。動画をご覧ください。
4.アニメーション設定(開始)
今回は、5秒間かけて、「circle.png」を左端から右端に移動します。
タイムコードが「0秒目」になっていることを確認し、「トランスフォーム」→「位置」のストップウォッチをオンにします。すると、キーフレームが追加されます。
4.アニメーション設定(終了)
次は、5秒後の設定を行います。
タイムコードに「5.0」と入力して5秒目に移動します。
選択ツールを選択し、コンポジションパネルに ある「circle.png」を「shiftキー」を押しながら右端に移動します。動画をご覧ください。
5.アニメーション確認
タイムラインパネルで再生ヘッドを0秒目に移動し、キーボードの「spaceキー」を使用してアニメーションを再生します。停止も「spaceキー」で行えます。動画をご確認ください。
このように、After Effectsでは、Premiere Proのようにキーフレームを追加することでアニメーションを作成することができます。最初のキーフレームを「キーフレームA」、次のキーフレームを「キーフレームB」にした場合、「キーフレームA」の「位置」と5秒後の「キーフレームB」の「位置」を変更することで、それを補完する形でアニメーションが作成されます。
6.コンポジションの保存
作成したコンポジションを保存します。
「ファイルメニュー」→「保存」を選択します。
「ファイル名」を入力し、任意の場所に保存します。
今回のブログは、ここまでとなります。次回のブログでは、トランスフォームの設定を使って、より複雑なアニメーションを作成します。また、最後に動画形式で書き出す方法も説明します。
まとめ
今回は、下記6点について説明を行いました。
- After Effectsとは
- After Effects作業手順
- 初期画面とディスクキャッシュ
- パネルの説明
- コンポジション
- アニメーションの作り方
After Effectsは短い動画を作成するのに向いているソフトウェアで、その動画をPremiere Pro等の動画編集ソフトで使用します。
また、After Effectsで動画を作成する際は、キーフレームを使用し、複数のキーフレームで各設定の値を変更することで動画を作成することができます。
これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!
それでは、次回のブログで!