はじめのコラム⑰AWS利用者は必見!ロシアの国家ハッカー「Sandworm」が狙う「設定不備」とその対策を解説します!

コラム

今回は、AWS環境を狙うサイバー攻撃の最新動向と、それに対する具体的な対策について説明します。私たちが日ごろ利用するクラウドサービスが、今や国家レベルのサイバー攻撃の標的となっています。

特にAWSを利用されている方々にとって、今回の情報は決して他人事ではありません。

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです!

サイバー攻撃は身近な脅威!AWS利用者が知るべきこと

最近、「サイバー攻撃」や「情報戦」という言葉をニュースで目にすることが増えましたね。もしかしたら、「自分には関係ない話だろう」と感じているかもしれませんが、実はそうではありません。皆さんが日常的に触れている、あの便利なクラウドサービスも、国家レベルのサイバー攻撃の危険にさらされているのです。

AWSのようなクラウドサービスは、私たちのビジネスや開発を飛躍的に加速させてくれます。まるで、どこからでもアクセスできる巨大な「デジタル倉庫」を手に入れたようなものです。しかし、その大切なデータが「見えない場所」で管理されていることに、ふとした不安を感じることはありませんか?例えば、もし皆さんが使っているパスワードマネージャーアプリがハッキングされたら、そこに保存されたすべてのパスワードが盗まれてしまうかもしれません。想像するだけでも恐ろしいですよね。

今回、皆さんにお伝えしたいのは、まさにその不安を現実のものとする、ある緊急警告です。ロシアの国家支援型ハッカー集団「Sandworm」が、AWS利用者を新たな手口で大規模に狙っているというのです。しかもその手口は、最新のテクノロジーを駆使したものではなく、まさに私たちの「設定不備」を突くものだというから驚きを隠せません。これは、まるで「最新式の金庫」を用意したのに、鍵をかけ忘れて出かけるようなものです。セキュリティは、サービス提供者だけの責任ではなく、私たち利用者自身の注意が求められる時代になっている、ということなのです。

サイバー攻撃は身近な脅威!AWS利用者が知るべきことのまとめ

このセクションでは、サイバー攻撃が遠い話ではなく、日々の業務で利用するAWS環境にも迫っている現実をお話ししました。単に「怖い話」として聞くのではなく、「自分ごと」として捉えることの重要性が見えてきたのではないでしょうか。この脅威が具体的にどのようなものなのか、そしてなぜあなたの「設定不備」が狙われるのかを理解することで、明日からの業務におけるセキュリティ意識が大きく変わるはずです。

Sandwormとは?悪名高きロシアのサイバー攻撃集団の実態

Sandwormという名前を初めて聞く方もいるかもしれません。彼らはロシアの軍事情報機関「GRU」と深く関連する、世界的に悪名高いハッカー集団です。その活動は巧妙かつ執拗で、常に新たな侵入経路や手法を模索しています。彼らのターゲットは、ただの個人情報ではありません。国家の重要インフラや政府機関、さらには世界中の民間企業にまで及び、その攻撃はしばしば社会全体に甚大な影響を与えてきました。

過去には、ウクライナの電力網を停止させて大規模な停電を引き起こしたり、世界中のコンピューターシステムを破壊する「NotPetya」のようなランサムウェア攻撃を仕掛けたりと、その手口は非常に高度で破壊的です。彼らの手にかかれば、システムが破壊され、情報が盗まれ、社会全体が混乱に陥る可能性すらあります。まるで、世界経済の裏側で暗躍する「デジタルマフィア」のような存在だと考えると、その恐ろしさが伝わるかもしれません。

なぜ、そんな恐ろしいハッカー集団が今、皆さんのAWS環境を狙うのでしょうか?それは、彼らの攻撃手法が大きく進化している点に注目する必要があります。彼らはもはや、単にシステムの穴を探すだけでなく、私たちの「油断」や「見落とし」に目を光らせているのです。この変化を理解することが、私たち自身の防御力を高める第一歩となります。

Sandwormとは?悪名高きロシアのサイバー攻撃集団の実態のまとめ

Sandwormがどのような存在で、どれほど危険な集団であるかをご理解いただけたでしょうか。彼らが単なるハッカーではなく、国家の戦略に基づき活動していることを知れば、その脅威をより現実的に受け止められるはずです。彼らが次に狙うのは、まさに「あなたの会社のシステム」かもしれません。次のセクションでは、なぜ彼らが従来の攻撃手法を変え、私たちの「設定不備」を狙うようになったのか、その衝撃的な理由を深掘りしていきます。

攻撃手法の変化:脆弱性から「設定不備」へ

これまでのサイバー攻撃といえば、ソフトウェアやシステムの「脆弱性」、つまり設計上の欠陥やプログラムのバグを悪用する手口が主流でした。これは、セキュリティアップデートを適用したり、パッチを当てたりすれば防げるタイプの攻撃ですね。私たちエンジニアも、日頃から脆弱性情報のチェックとアップデート適用には気を配ってきました。まるで、家屋の「壁のひび割れ」を見つけては、修理して補強するようなイメージです。

しかし、近年に入り、Sandwormは戦術を大きく転換しました。なんと、AWS上でホストされている顧客が設定ミスをしている「ネットワークエッジデバイス」(ルーターやVPNなど)を主要な侵入経路として狙うようになったのです。ネットワークエッジデバイスとは、皆さんの会社のネットワークとインターネットの「境界」にある機器のことです。言わば、会社の「正面玄関」や「受付」のような存在ですね。ここが狙われている、ということです。

なぜ彼らは戦術を変えたのでしょうか?その背景には、いくつかの合理的な理由があります。

  • バレにくい:脆弱性を悪用する攻撃は、通常、異常な挙動を伴うため検知されやすい傾向があります。しかし、設定不備の悪用は、まるで正規の管理者操作のように見えるため、攻撃者がシステム内に潜伏しても、なかなかバレません。これは、泥棒が堂々と鍵を使って家に入り、あたかも住人であるかのように振る舞うようなものです。
  • 低コスト・高効率:難しい脆弱性を発見し、それを悪用するコードを開発するには多大な時間とコストがかかります。それに対し、すでに存在する設定ミスを探し出して悪用する方が、手間もコストもかからず、はるかに効率的に攻撃できるのです。まるで、金庫の鍵を破るより、開けっ放しの窓を探す方が手っ取り早い、という考え方です。
  • 長く潜伏できる:検知されにくい特性から、一度侵入に成功すれば、システムに長く潜伏して情報を盗み続けたり、さらなる攻撃の足がかりを築いたりすることが可能になります。これは、一度忍び込んだ家の中で、住人が気づかないうちに貴重品を物色し続けるようなものです。

そして何よりも重要なポイントは、Amazonからの警告が示している通り、これは「AWSプラットフォーム自体の脆弱性」によるものではない、ということです。あくまでAWSを利用している顧客側の設定ミスが原因だと、Amazonは強く警告しています。AWSという「強固な金庫」は用意されているのに、その金庫の「使い方」を誤っているために、情報が漏洩するリスクがある、という現実を私たちは認識しなければなりません。

攻撃手法の変化:脆弱性から「設定不備」へのまとめ

このセクションでは、サイバー攻撃が「脆弱性」を突く時代から、「設定不備」を狙う時代へと変化したことを解説しました。従来の対策だけでは不十分であり、日々の運用における「設定」の重要性が増していることがご理解いただけたでしょう。実は、この「設定不備」は、ベテランエンジニアでも見落としがちな盲点となり得ます。次のセクションでは、Sandwormが具体的にどのような「設定不備」を悪用し、どのように攻撃を進めるのか、その巧妙な手口を詳しく見ていきましょう。

「開け放たれた窓」を狙う!Sandwormの巧妙な攻撃シナリオ

Sandwormが特に狙っているのは、西側諸国の重要インフラ(特に電力会社などのエネルギー部門)、そしてそれらの組織にサービスを提供しているマネージドセキュリティプロバイダー(MSP)や通信事業者などです。彼らは、これらの組織のAWS環境に存在する「開け放たれた窓」を探し出し、そこから侵入を試みます。

彼らの巧妙な攻撃シナリオは次の通りです。

  1. 侵入(入り口を見つける):まず、皆さんのAWS環境上で動いているルーター、VPNコンセントレータ、リモートアクセスゲートウェイなどのネットワークエッジデバイスに存在する「設定不備」を突いて侵入します。
    • ネットワークエッジデバイスとは?:会社のネットワークと外部インターネットの境界に位置する機器で、外部からのアクセスを制御する「門番」のような役割を担っています。ここが不適切に設定されていると、悪意のある第三者でも簡単に通り抜けてしまう可能性があります。
  2. 盗聴(会話を盗み聞きする):侵入したデバイスが持つ「パケットキャプチャ機能」という、ネットワークを流れるデータを記録する機能を悪用し、そこを通る通信を盗聴します。
    • パケットキャプチャ機能とは?:ネットワーク上を流れるデータを「パケット」という単位で記録・分析する機能です。これは本来、ネットワークのトラブルシューティングや性能監視などに使う便利な機能ですが、悪用されると、まるで電話での会話を盗聴器で聞き取るかのように、機密情報を盗み見られてしまう危険性があります。
  3. 情報窃取(秘密の情報を抜き取る):盗聴したトラフィックの中から、皆さんのユーザー名やパスワードといった「認証情報」を盗み出します。これは、まさに「デジタルな鍵」を盗み出す行為です。
  4. 乗っ取り(盗んだ鍵で侵入する):盗み出した認証情報を使って、まるで正規のユーザーであるかのように、皆さんのオンラインサービスやシステムにログインします。これを「リプレイ攻撃」と呼びます。
    • リプレイ攻撃とは?: 過去に正規の通信で使われた認証情報を傍受し、それを再利用してシステムに不正アクセスする攻撃です。一度盗んだ鍵で何度も侵入を試みるようなもので、見破られにくいのが特徴です。
  5. 拡大(さらに奥へ侵入する):一度侵入に成功すると、そこを足がかりにネットワークの奥深くへと侵入を広げ、さらなる情報を盗み出したり、システムを破壊しようとします。これは、玄関から入って、奥の部屋にある金庫を探しに行くようなものです。

これはまるで、「鍵のかかった頑丈な玄関」と「開け放たれた二階の窓」のようです。AWSは玄関に高価で頑丈な鍵をつけて、皆さんのデータを守ってくれています。しかし、もし皆さんが二階の窓を開け放し、しかもそこへ登るための梯子まで置いていたらどうでしょう?AWS自体がどれほど安全でも、皆さんの設定ミスが攻撃者にとっての「開け放たれた窓」になってしまうのです。この「窓」を見つけ、確実に閉めることが、私たちの任務です。

「開け放たれた窓」を狙う!Sandwormの巧妙な攻撃シナリオのまとめ

このセクションでは、Sandwormがどのような「窓」を狙い、どのようなステップで侵入を試みるのか、その具体的なシナリオを解説しました。ネットワークエッジデバイスの重要性、パケットキャプチャの危険性、そしてリプレイ攻撃の仕組みをご理解いただけたでしょうか。これらの知識は、単なる脅威への理解に留まらず、次のセクションで紹介する「具体的な対策」を効果的に実施するための重要な土台となります。読み進めることで、あなたのAWS環境のどこに「開け放たれた窓」があるのか、そのヒントが見つかるかもしれません。

今日からできる!AWS環境を守るための具体的な対策4選

サイバー攻撃は、もはや「他人事」ではありません。「自分ごと」として捉え、具体的な行動を起こすことが、あなた自身の、そして会社の情報を守るための第一歩です。エンジニアの皆さんでも、今日からできる対策はたくさんあります。これらの対策は、あなたのスキルアップにも直結する、実用的な知識となるでしょう。

  1. ネットワークエッジデバイスの徹底監査
    • 確認すること:皆さんのAWS環境上で稼働しているルーター、VPN、リモートアクセスゲートウェイなどのネットワークデバイスに、「不審なパケットキャプチャファイル」が残されていないか、あるいは「不審な設定」が施されていないかを詳しく確認しましょう。
      • なぜ必要か?:攻撃者は侵入後、足跡を残さないように証拠を消すことが多いですが、設定ミスでログが残っていたり、キャプチャファイルが削除されずに残っているケースがあります。これを監査することで、早期に侵入の痕跡を発見できる可能性があります。
      • 実務ではどう使うか?:定期的なセキュリティチェックリストにこの項目を加え、AWS ConfigやCloudTrailなどのログを定期的に監視する習慣をつけましょう。不審な設定変更やファイルの作成がないか、アラートを設定することも有効です。
    • 外部公開状況のチェック:これらのデバイスの管理画面が、意図せずインターネットに公開されていないか(誰でもアクセスできてしまわないか)も、必ずチェックしてください。特定のIPアドレスからのみアクセスを許可するなどの制限はできていますか?
      • なぜ必要か?:管理画面がインターネットに公開されていると、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)や、既知の脆弱性を狙った攻撃のリスクが高まります。
      • 実務ではどう使うか?:AWS Security GroupやNACL(Network Access Control List)を利用し、管理用IPアドレスからのアクセスのみを許可する厳格なルールを設定しましょう。これは会社の「守衛所」の出入り口を、許可された車両だけに制限するようなものです。
  2. 管理インターフェースの隔離
    • アクセス制限の徹底:ネットワークを適切に分割(セグメンテーション)し、これらのデバイスの管理画面へは、許可された特定のPCやネットワークからしかアクセスできないように制限をかけましょう。インターネットからの直接アクセスは極力避けるべきです。
      • セグメンテーションとは?:ネットワークを論理的に細かく分割し、それぞれの領域でアクセス制限をかける手法です。会社の中を部署ごとに区切り、それぞれの部署の重要度に応じて入室制限を設けるようなイメージです。これにより、万が一どこかの領域が突破されても、他の領域への影響を最小限に抑えられます。
      • なぜ必要か?:管理インターフェースを隔離することで、攻撃者が侵入したとしても、そこから簡単に他のシステムへ横展開されるのを防げます。
      • 実務ではどう使うか?:AWS VPC (Virtual Private Cloud) のサブネットやルーティング設定、Security Groupを駆使し、管理用のVPCや踏み台サーバー(Jump Host)を設けてアクセス経路を厳格に管理します。
  3. 強力な認証方法の実施(MFAの義務化!)
    • パスワードだけでは不十分:ユーザー名とパスワードだけでは、万が一漏洩した際に簡単に突破されてしまいます。現代のサイバー攻撃においては、パスワードだけを頼りにするのは非常に危険です。
      • なぜ必要か?:盗まれた「デジタルな鍵」一つで、全ての扉が開いてしまうリスクを避けるためです。
    • 多要素認証(MFA)を必ず導入:パスワードに加えて、スマホアプリの認証コードや指紋認証、ハードウェアトークンなど、複数の要素を組み合わせた「多要素認証(MFA)」を、すべてのシステムやサービスで義務付けましょう。AWSへのログインはもちろん、VPNや各種管理コンソールにも適用することが重要です。
      • 多要素認証(MFA)とは?:「知識情報(パスワード)」、「所有情報(スマホやトークン)」、「生体情報(指紋など)」の3つのうち、2つ以上を組み合わせて本人確認を行う方法です。これは、家に鍵をかけるだけでなく、指紋認証と顔認証も組み合わせるようなもので、万が一鍵が盗まれても侵入が困難になります。
      • 実務ではどう使うか?:AWS IAM (Identity and Access Management) でMFAを必須設定にし、組織内の全てのユーザーに対して教育と導入を徹底します。これにより、アカウント乗っ取りのリスクを劇的に低減できます。
  4. 認証情報リプレイ攻撃の監視強化
    • 常に目を光らせる:普段と異なる時間帯や場所からのログイン試行がないか、異常に多いログイン失敗がないか、ネットワークトラフィックに不審な動きがないかなど、常に監視する体制を強化しましょう。
      • なぜ必要か?:攻撃者が盗んだ認証情報を使って侵入を試みる際、必ず何らかのアクセスログが残ります。この異常をいち早く検知することが、被害拡大を防ぐ鍵となります。
      • 実務ではどう使うか?:AWSのCloudTrail(ユーザーアクティビティログ)、VPC Flow Logs(ネットワークトラフィックログ)、Amazon GuardDuty(脅威検出サービス)などのログ機能を活用し、定期的にアクセスログを確認することで、異常なアクセスパターンを早期に発見できるようにしましょう。不審な動きを自動的に検知・通知する仕組みを導入することも検討してください。これは、家の監視カメラを設置し、異常を検知したらすぐにアラームが鳴るようにするようなものです。

これらの対策は、皆さんのAWS環境を守るだけでなく、ITエンジニアとしてのスキルアップにも繋がります。セキュリティに関する知識は、現代のIT業界で非常に重要視されるスキルの一つです。

今日からできる!AWS環境を守るための具体的な対策4選のまとめ

このセクションでは、具体的な4つの対策を「なぜそれが重要なのか」「実務でどう活用できるのか」という視点も交えて解説しました。MFAの導入やログ監視の強化は、IT初心者の方でも今日から実践できるものばかりです。これらの対策を怠ると、取り返しのつかない情報漏洩やシステム停止のリスクを抱えることになります。今すぐこれらの対策を実行することで、あなたのAWS環境がどれだけ強化されるか、ぜひその効果を実感してください。

まとめ

今回は、React Server Components における深刻な脆弱性「CVE-2025-55182」、通称「React2Shell」について、その詳細、影響、そして具体的な対策までを網羅的に解説しました。

  • サイバー攻撃は身近な脅威!AWS利用者が知るべきこと
  • Sandwormとは?悪名高きロシアのサイバー攻撃集団の実態
  • 「開け放たれた窓」を狙う!Sandwormの巧妙な攻撃シナリオ
  • 今日からできる!AWS環境を守るための具体的な対策4選

今回のロシアのSandwormによる新たな手口は、セキュリティの「盲点」を巧みに突き、これまで私たちが「当たり前」と考えていた対策だけでは不十分であることを示しています。「AWSプラットフォーム自体は強固でも、利用者の設定ミスが攻撃の入り口となってしまう」という現実を、しっかりと認識しましょう。今日学んだ知識と対策は、皆さんの組織のセキュリティを強化するだけでなく、ITエンジニアとしての専門性を高める重要な一歩となります。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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