今回も、「Google Associate Cloud Engineer」認定取得の勉強におけるアウトプット内容となっています。
将来、「Google Associate Cloud Engineer」認定取得を目指している方向けに、ぴったりの内容となっています。
今回は、ネットワーキング③について説明します。今回で、ネットワーキングの説明は最後です。
Cloud VPN
Cloud VPNは、オンプレミスのネットワークとGoogle CloudのVPCを接続する仮想ネットワークサービスです。
Cloud VPNの特徴
- IPsec VPNを使用しデータを暗号化
- 少量のデータ接続に最適
- 高可用性VPN構成の場合、SLA(サービス品質保証)は99.99%
- ゲートウェイは、Classic VPNとHA VPNの2つ
- Classic VPNゲートウェイは、1つのインターフェースと外部IPアドレス有り
- 高可用性VPNゲートウェイは、2つのインターフェースと外部IPアドレス有り
- サイト間VPNをサポート
- 静的ルート対応
- Cloud Routerを使用した動的ルート対応
- IKEv1暗号とIKEv2暗号をサポート
- オンプレミスVPNゲートウェイの最大転送単位(MTU)は1,460バイト
IPsec VPN
IPsec VPNの「IPsec」とは、「Internet Protocol Security」の略です。ネットワークを流れるデータは、パケットという箱に入って送受信されます。その箱のことをIPパケットとよび、IPsecは、そのIPパケットという箱を暗号化して送受信するので、外部からそのデータを読み取ることができないものになります。
例えば、1つの会社で「東京本社」と「大阪支社」をIPsec VPNで接続する場合、片方の拠点、例えば東京本社から流れるデータを暗号化して送信し、受信する大阪支社で復号化して使用します。
要は、ファイルを送る際、ファイルをzip形式で圧縮し、そのファイルにパスワードを設定して、メールで送るのと同じことをしています。
IPsec VPNは、拠点間でVPNを構築する際によく使用されます。
Classic VPN
Classic VPNは、静的ルーティングに対応したVPNとなります。
静的ルーティングとは、決められたルートでデータを通信する方法になります。
ネットワークの通信には、静的ルーティングと動的ルーティングの2つがあります。静的ルーティングは下記のイラストのようになります。
例えば、家からスーパーまでいく道順が予め決められていて、その道中が工事中などで通れない時、迂回等して臨機応変に対応できないのが静的ルーティングです。
逆に、動的ルーティングは、目的地にいくまでのルーティングを、臨機応変に変更できるルーティングになります。下記のイラストが動的ルーティングです。
現在は、Classic VPNよりHA VPNが使用されます。
HA VPN
HA VPNは、動的ルーティングに対応したVPNとなります。
HAとは、「High Availability」の略で、可用性が高いことを意味する言葉です。可用性とは、システム等でメインサーバが壊れた際、サブサーバがメインサーバの役割をするように、システムがダウンしない構成にすることをいいます。
HA VPNを構築する際、ネットワークの入り口であるHA VPNゲートウェイの2つのインターフェースに2つの外部IPアドレスが割り当てられます。
それを接続先のゲートウェイと2本のトンネルを作成することによって、片方のゲートウェイが障害等で使用できない際、もう片方のゲートウェイを使用して通信を行います。
しかし、この構成の場合、接続先のゲートウェイが1つしかない場合、接続先の機器(又はサービス)に障害が発生した場合、通信ができません。接続先のゲートウェイとIPアドレスも2つ用意することで高可用性になります。
Google Cloudで動的ルーティングを使用する際は、Cloud Routerが必要になります。
Cloud Router
Cloud Routerは、BGP(Border Gateway Protocol)を使用して、VPN間のルートを管理します。
BGP(Border Gateway Protocol)とは、通信のルート情報を接続する拠点間の機器(サービス)と交換することによって、最適なルートで通信できる取り決めになります。
例えば、東京本社に営業部と経理部のサブネットがあり、大阪支社に営業部のサブネットがあったとします。
今回、大阪支社にも経理部を新設し、新規にサブネットを作成した場合、静的ルーティングの場合、東京本社から大阪支社の経理部のルートを設定する必要があります。しかし、動的ルーティングの場合、BGPがそのルートを伝えることによって、東京本社から大阪支社の経理部へのルートが確立されて通信ができるようになります。
Cloud Interconnect
Cloud Interconnectは、オンプレミスとGoogle CloudのVPC又はサービスを専用線を使用して接続するものになります。
Cloud Interconnectを使用した場合、データはインターネットを介さないので、データを保護するメリットがあります。
Cloud Interconnectには、「Partner Interconnect」と「Dedicated Interconnect」との2つがあります。
Partner Interconnect
Partner Interconnectは、オンプレミスのネットワークとGoogle CloudのVPCを、認可された専用回線を提供しているサービスプロバイダを介して接続するサービスになります。
日本の場合、認可された専用回線のサービスプロバイダにNTTやKDDI、ソフトバンク等があります。その他のサービスプロバイダは、Googleドキュメントのこちらを参照してください。
Dedicated Interconnect
Dedicated Interconnectは、オンプレミスのネットワークとGoogleのネットワークを直接接続するサービスです。
ネットワーク間で大容量のデータを直接やりとりしたい場合は、Dedicated Interconnectを使用します。
Dedicated Interconnectでは、Google Cloudのデータセンターにサーバを配置し、サーバとGoogle Cloudを直接接続します。
10Gbps〜100Gbpsの帯域が必要な場合に使用します。
使用頻度は極めて少ないです。通常は、「Partner Interconncet」が使用されます。
クラウド ピアリング
クラウドピアリングは、オンプレミスの環境とGoogle Cloudのデータセンターをインターネット網を使用してピアリング接続するサービスです。
クラウドピアリングには、「ダイレクトピアリング」と「プライベートピアリング」の2種類があります。
ダイレクトピアリングの特徴
- Google Cloudとオンプレミス環境のゲートウェイでBGPルートを交換
- Google Cloudのフルパッケージにアクセス可能
- SLA(サービス品質保証)は無し
- 世界中90箇所を超えるインターネットエクスチェンジ
インターネットエクスチェンジ
インターネットエクスチェンジとは、異なるインターネットプロバイダを接続するポイントです。
例えて言うなら、国境の入国管理局みたいなものです。アメリカとカナダのように違う国の国境部分には、相手国に入国するための入国管理局がありますが、その役割がインターネットエクスチェンジになります。
キャリアピアリングの特徴
- サービスプロバイダ経由でGoogle Cloudとピアリング
- SLA(サービス品質保証)は無し
- Google Cloudのフルパッケージにアクセス可能
- ダイレクトピアリングが利用できない時に利用
Cloud DNS
Cloud DNSは、Google Cloudが提供している、高パフォーマンスのDNSサービスです。
Cloud DNSは、インターネット上に公開されたアドレスの「一般公開ゾーン」と、VPC内で公開された「限定公開ゾーン」の2つを提供しています。
DNSとは
DNSは「Domain Name System」の略で、インターネット上のホスト名とIPアドレスを紐付けるシステムです。
例えば、ユーザーがインターネットで「https://hajimenoit.com」にアクセスする時、そのユーザが使用しているネットワーク内のルータがこのURL(ドメイン名)のIPアドレスを調べます。その調べる時に使用されるのDNSサーバです。DNSサーバから「hajimenoit.com」のIPアドレスをルータが受け取るとそのIPアドレスにアクセスして、ダウンロードした内容をユーザのWebブラウザで表示します。
これを名前解決と呼び、URL(ドメイン名)からIPアドレスを求めることを「正引き」と呼び、IPアドレスからURL(ドメイン名)を割り出すことを「逆引き」とよびます。
一度調べた正引きの情報は、一定期間DNSサーバ又はルータにキャッシュという形で保存されるので、再度ユーザがアクセスした場合、そのキャッシュから情報を参照します。
まとめ
今回は、下記4点について説明を行いました。
- Cloud VPN
- Cloud Interconnect
- クラウド ピアリング
- Cloud DNS
「Cloud Interconnect」や「Cloud DNS」は、クラウド環境でシステムを構築する際、よく使用します。是非、覚えておいてください!
これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!
それでは、次回のブログで!