はじめのソフトウェア紹介①NAS上のデータをネットワーク経由で移行できるソフトウェアを紹介します!

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今回は、新シリーズの第一弾です。

はじめのソフトウェア紹介」では、有料だがとても役に立つソフトウェアを紹介します。私が前職でMacのサポートエンジニアを行っていたときに、使っていたソフトウェアや購入したソフトウェアを紹介します。

初回は、macOSのクローニングやNASのデータ移行で使用していたCarbon Copy Clonerをご紹介します(現在、macOSのクローニングはできないようです)。このソフトウェアは、macOS専用ですが、料金はそれほど高くなく、とても便利なソフトウェアです。

NASを販売する企業にとっては、とても有用なソフトウェアです。

是非、最後までご覧いただけると嬉しいです。

Carbon Copy Cloner の紹介

Carbon Copy Clonerは、基本的にMacのデータをバックアップするためのソフトウェアです。自動バックアップをスケジュールしたり、削除されたファイルや破損したファイルを復元したりできます。しかし、それだけではなく、色々な使い方ができる有用なソフトウェアです。

使用用途について詳しく説明します。

Carbon Copy Cloner の使用用途

私がCarbon Copy Cloner を使用していた用途は、下記3点です。

  1. Macのクローニング
  2. NASデータの移行
  3. ディスクのクローニング

1つずつ詳しく説明します。

1. Macのクローニング

前職では、学校のパソコン教室にMac を納品する業務を行っておりました。例えば、同じ要件のMacを30台納品しなければいけない時、1台ごとセットアップするのは、時間も労力もかかります。そんな時、Carbon Copy Clonerを使用して、macOS のクローニングを行っていました。

Intel Macの場合は、ターゲットディスクモードというモードがあり、Macを外付けハードディスクのように使用することができました。また、外付けハードディスク(またはSSD)の macOS から、Macを起動することができたので、Carbon Copy Clonerを使用してMacのクローニングを行っていました。

ターゲットディスクモードを使って2台のMacコンピュータ間でファイルを転送する
USB、USB-C、またはThunderboltケーブルを使って2台のMacコンピュータを接続し、ファイルを転送できます。

Apple シリコンのMacの場合、M1マックでmacOS Montereyまでは、片方のMac にCarbon Copy Clonerをインストールし、ディスク共有でクローニングしていました。しかし、現在、Carbon Copy ClonerのHPを確認すると、この方法で、macOSのクローニングはできないようです。

macOS (Big Sur、およびそれ以降) の古い起動可能なコピーを作成するには | Carbon Copy Cloner | Bombich Software

現状、複数のMacを保有していない為、検証はできませんが、今のM3 MacとmacOS Sonomaで実行できるかは、試してみたいところではあります。

2. NASのデータ移行

以前のブログで、QNAP製NASについて記事を書きましたがが、新規NASを導入する際、Carbon Copy Clonerを使用して、旧NASから新NASへデータを移行していました。

移行方法としては、1台、移行用のMacを用意し、そのMacにCarbonc Copy Clonerをインストールします。あとは、旧NASの移行元である共有フォルダと新NASの移行先である共有フォルダをMacでマウントし、Carbon Copy Clonerで使用して移行します。

NASの種類は、問いません。macOSには、smbというプロトコルが標準で備わっており、一般的なNASは、このプロトコルに対応しています。そのため、どのNASでもこの方法でデータ移行を行うことができます。

複数の共有フォルダを移行する場合、複数のバックアップタスクを作成し、ポストフライト機能(※後述します)を使用して、順番にバックアップタスクを実行することができます。

前職で、NASを納品する際、私は、Carbon Copy Clonerを使用してデータ移行を行っていましたが、特に不具合なく移行できていました。NASのデータ移行についてもおすすめのソフトです。

3. ディスクのクローニング

ディスクのクローニングは、外付けハードディスクやUSBメモリのクローニングを指します。例えば、以前のMacでは、外付けハードディスクにmacOSをインストールしておき、それを使ってMacを起動することができました。そのような際に、macOS を他の外付けディスクなどにクローニングする必要がある時、Carbon Copy Cloner を使用してクローニングを行っていました。

Carbon Copy Cloner 以外のクローニング方法として、Time Machineのバックアップからの復元や、macOS標準のディスクユーティリティを使用する方法がありますが、クローニングの観点から考えると、Carbon Copy Clonerがより優れていると考ています。 理由は、短時間で、高品質なクローンOSを作成することができるからです。

今回説明する使用方法では、古いMicroSDから新しいMicroSDへデータを移行する例を挙げて説明します。

古いディスクから新しいディスクへのデータ移行においても、Carbon Copy Cloner はおすすめです。

ダウンロード&インストール方法

Carbon Copy Cloner のダウンロード方法とインストール方法について説明します。

ダウンロード方法

まずは、下記 Carbon Copy Cloner のサイトにアクセスします。
Mac Backup Software | Carbon Copy Cloner | Bombich Software
次に、トップページにある「Download 30-Day Trial」を選択します。
ソフトウェアがダウンロードされます。

以上で、Carbon Copy Clonerのダウンロード方法は終わりになります。

インストール方法

次は、Carbon Copy Clonerのインストール方法について説明します。

ダウンロードフォルダ(又はダンロード用フォルダ)を開きます。
zipファイルをダブルクリックして解凍すると、アプリケーションが表示されます。
インストール方法は、ドラッグ&ドロップなので、別ウィンドウでアプリケーションフォルダを開き、ドラッグ&ドロップで、Carbon Copy Cloner を移動します。
アプリケーションフォルダに移動したCarbon Copy Cloner を開きます。
セキュリティとプライバシーの確認メッセージが表示されるので、「開く」を選択します。
アップデートの確認メッセージが表示されます。お好きな方を選択してください。私は「自動的に確認」を選択しました。
「試用」を選択します。
メインウィンドウが開きます。

以上で、Carbon Copy Clonerのインストール方法は終わりになります。

インストールは、アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップで移動するだけなので、とっても簡単です!

使用方法

それでは、実際にCarbon Copy Cloner の使用方法について説明します。

今回、スマフォで使用していたMicroSDカードの調子が悪いので、新規でMicrosSD カードを購入し、古いMicrosSDから新しいMicrosSDにデータを移行します。

1.デバイスのマウント

まずは、コピー元/先となるデバイスをMacに接続します。すると、デスクトップにデバイスがマウントします。

今回、コピー元が「NO NAME0」でコピー先が「SD」になります。

2.コピー元/先の選択

次は、コピー元とコピー先になるボリュームを選択します。

メインウィンドウでソースの下にあるアイコンを選択します。
コピー元となる「NO NAME0」(MicrosSDカード)を選択します。
次にコピー先のアイコンをクリックし、コピー先のデバイス「SD」を選択します。
コピー先の「SD」を選択すると、「SafetyNet:オン」と表示されます。「Safety Net」とは、変更されたファイルの古いバージョンを移動する機能です。

今回は、何もないSDカードにコピーするので、オン/オフどちらも構いませんが、コピー元と先にファイルが存在する場合は、注意してください。

3.クローニング開始

基本的な設定は以上なので、最後に「開始」を選択します。
クローニングが開始されると、「CCCの権限ヘルバーツールをインストール」を促すメッセージウィンドウが表示されるので、「CCCの権限ヘルパーツールをインストール」を選択します。
パスワードを求められるので、入力し「ヘルパーをインストール」を選択します。
コピー元/先によっては、下記のようなメッセージウィンドウが表示されることがあるので、「このまま続ける」を選択します。

クローニングが開始されます。

しばらくすると、残りの時間が表示されます。あくまで目安なので、ご注意ください。

4.クローニング終了

クローニングが終了すると、「バックアップが完了しました。」とメッセージが表示されます。終了するときは、右上の「OK」を選択します。

最後に、コピー先の「SD」を確認します。正常にコピーが実行されています。

オプション設定

最後に、Carbon Copy Clonerのオプション設定について説明します。

スケジュール設定

Carbon Copy Clonerをバックアップソフトとして使用する場合、スケジューリングすることができます。時間から月までお好みの設定を行うことができます。設定は、オートメーションのアイコンを選択することで設定することができます。

タスクフィルタ

コピーするファイルを指定することができます。その場合は、メインウィンドウ下にある「タスクフィルタ」を選択します。すると、ソースとなるデバイスにあるファイルが一覧で表示されます。コピーしないファイルは、チェックを外すことで、コピーされません。

詳細設定

詳細設定では、下記4項目を設定することができます。 

  1. プリフライト
  2. ファイルコピーの設定
  3. ポストフライト
  4. パフォーマンス&分析

下記URLに詳細な説明が記載しておりますので、当ブログでは、簡易的な説明にとどめます。

詳細設定 | Carbon Copy Cloner | Bombich Software

1. プリフライト

プリフライトでは、バックアップタスクの前に実行するシェルスクリプトを指定することができます。例えば、コピー先のデバイスをフォーマットするなどのスクリプトを作成し指定することができます。

「SafetyNetを削除」は、SafetyNet で移動された古いファイルを削除するかどうかの設定です。削除しない設定もできます。

2. ファイルコピーの設定

ファイルコピーの設定では、コピー先ボリュームのルートレベルの項目の保護やアクセス権の保持などができます。基本は初期設定で問題ないですが、不具合がある場合は、設定を変更して試してみてください。

3. ポストフライト

ポストフライトでは、バックアップタスクの後に実行するシェルスクリプトを指定したり、他のバックアップタスクを実行したりすることができます。また、バックアップ後、メール通知を行う設定などをすることもできます。

4. パフォーマンス&分析

パフォーマンス&分析では、トランザクションの記録やクイックアップデート、壊れたファイルの検出を行うことができます。トランザクションの記録は、タスクイベントごとに変更されたデータのリストが収集されます。クイックアップデートは、macOSのファイルシステムにおける活動を記録するサービスです。

詳細設定を使用することで、クローン実行時に様々なオプションが利用可能になります。ファイルのコピー設定や、タスク終了後のポストフライト機能は非常に便利なので、ぜひ覚えておいてください。

まとめ

本日は、下記3点について説明しました。

  1. Carbon Copy Cloner の紹介
  2. ダウンロード&インストール方法
  3. 使用方法

新しいNASを導入する際、障壁となりがちなのは旧NASからのデータ移行です。しかし、Carbon Copy Clonerを活用することで、データを簡単にかつ迅速に移行することが可能です。さらに、NASだけでなく、外付けHDDやフラッシュメモリへのデータ移行も手軽かつ正確に行うことができます。是非、この便利なソフトウェアを一度お試しください!30日間は無料で使用できます。

これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!

それでは、次回のブログで!

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