今回も、前回に引き続きAdobe Premiere Pro初心者の方に向けて、YouTube用動画編集とアップロードまでを説明します。
私は、仕事柄、Adobeソフトの講習を行っています。その経験を活かして、Adobeソフトの操作方法について説明します。
トランジション
前回のブログでは、5本の動画をタイムラインパネルに並べて、音声クリップを削除しました。今回のブログでは、この5本の動画がそれぞれ切り替わるタイミングで画面切替効果を入れていきます。Premiere Proでは、この画面切替効果を「トランジション」と呼びます。
それでは、実際の操作方法です。
1.エフェクトパネル表示
「ウィンドウ」メニューから「エフェクト」を選択します。
すると、プロジェクトパネルの部分にエフェクトパネルが表示されます。
2.クロスディゾルブ適用
今回は、クロスディゾルブというトランジション効果を適用します。
クロスディゾルブは、前の素材の上に後の素材を重ね合わせる効果です。
エフェクトパネルから、「ビデオトランジション」→「ディゾルブ」→「クロスディゾルブ」を選択します。
タイムラインパネルのズームスクロールスライダーを使用して、「01Movie.mp4」と「02Movie.mp4」の境界部分を拡大します。その後、「クロスディゾルブ」をドラッグ&ドロップで境界部分に適用します。動画をご確認ください。もし、境界部分に配置できなくても後で調整できるので境界あたりに配置できればOKです。
3.トランジション確認
適用したクロスディゾルブのトランジションを確認します。
タイムラインパネルの再生ヘッドに「19.0」と入力して19秒目に移動します。
再生ヘッド移動後、動画を再生してクロスディゾルブのトランジションを確認してください。
再生はよく使用するので、ショートカットキーも覚えておくと便利です。キーボードの「spaceキー」で再生と停止ができます。
4.トランジション調整
次は、適用したトランジションの調整方法を説明します。
トランジションの調整は、「エフェクトコントロールパネル」から行います。
「ウィンドウ」メニュー→「エフェクトコントロール」を選択します。
すると、ソースパネルの部分にエフェクトコントロールパネルが表示されます。
次に、タイムラインパネルに配置した「クロスディゾルブ」を選択(クリック)します。
すると、エフェクトコントロールパネルにトランジションの設定項目が表示されます。
トランジションにおけるエフェクトコントロールパネル設定項目
トランジションにおけるエフェクトコントロールパネルの設定項目について説明を行います。
①デュレーション
デュレーション(duration)を直訳すると、「間隔」という意味で、Premiere Proでもその効果の時間を表しています。
長くすれば、徐々に変わり、短くすると、即座に変わるようになります。動画の切り替えをナチュラルにしたい場合などは、長くする設定を使用します。初期設定では、1秒間になっていますが、選択するとテキストボックスになるので、変更することができます。
②配置
配置は、トランジションを前のクリップと後のクリップのどこに配置するかです。
設定は、
1.クリップAとクリップBの中央
2.クリップBの先頭を基準
3.クリップAの最後を基準
の3種類があります。
例えば、「クリップBの先頭を基準」を選択すると、このようにトランジションの位置が。「クリップBの先頭に移動します。
③実際のソースを表示
「実際のソースを表示」のチェックを入れると、エフェクトコントロールに実際のクリップが表示されます。
④タイムラインビュー
タイムラインビューは、タイムラインを表示して、視覚的にトランジションの位置の調整を行うことができます。②配置で設定している項目によって、設定できる項目が変わります。長さや位置等デュレーションを視覚的に変更できます。動画をご覧ください。
このように、トランジションの細かな調整はエフェクトコントロールパネルで行います。
5.トランジション適用②
それでは、次は、「02Movie.mp4」と「03Movie.mp4」に違うトランジションを適用します。
今回は、「クロスズーム」のトランジションを使用します。クロスズームは、前の素材が拡大して後の素材に切り替わるトランジションです。
エフェクトパネルから、「ビデオトランジション」→「ズーム」→「クロスズーム」を選択します。
「クロスズーム」のトランジションを、「02Movie.mp4」と「03Movie.mp4」の間に配置します。(必要に応じてタイムラインパネルで拡大、スクロールしてください。)
ここで注意点。トランジションを配置する際、クリップの間に配置できないことがまれに起こります。その場合は、「タイムラインビュー」で位置を調整します。
6.トランジション調整②
クロスズームのデュレーションを、1秒から2秒に変更します。
タイムラインパネルで、
①クロスズーム」を選択します
②エフェクトコントロールパネルの「デュレーション」を選択し「2.0」に変更します
③デュレーションの位置を「クリップAとBの中央」に変更します
エフェクトの調整後、再生ヘッドを37秒目辺りに移動し、再生してください。
7.トランジションのコピー&ペースト
カスタマイズしたトランジションを、他のクリップ間で使用することができます。その際、コピー&ペーストで適用します。
手順は、
①クロスズームのトランジションが選択されている状態で、キーボードの「⌘ + Cキー」(Ctrl + Cキー)を押します。
②再生ヘッドを55秒目に移動します。
③キーボードの「⌘ + Vキー」(Ctrl + Vキー)を押します。
すると、再生ヘッドを基準にトランジションがペーストされます。
このように、一度作成したトランジションを他のクリップ間に簡単に配置することができます。
今回ペーストした「クロスズーム」もエフェクトコントロールパネルから配置を「クリップAとBの中央」にします。
8.トランジションの適用とカスタマイズ(演習)
最後、「04Movie.mp4」と「05Movie.mp4」のクリップ間のトランジションは皆さんの方でお好きなトランジションを適用してみてください。デュレーションや配置等、自分の好きなようにカスタマイズして頂いて結構です。エフェクトパネルから色々なトランジションを適用して確認してみてください。
トランジションを一覧で確認したい場合は、Google検索で「Premiere トランジション 一覧」等で検索していただくと、いろいろなサイトがありますので、お好きなサイトを見ながら色々触ってみてください。
レンダリング
Premiere Proは、シーケンスに複雑なエフェクトを追加すると、動画再生時、正常に再生されないことがあります。その部分を、タイムラインパネルで確認することができ、下記画像、黄色のバーになります。このバーをレンダリングバーと呼びます。
レンダリングバーを見ると、「黄色」の部分と「赤色」の部分がありますが、
・黄色:レンダリングの必要性がない
・赤色:レンダリングの必要性がある
を表しています。
レンダリングとは、編集で行った内容を正常に再生できるようにする処理のことをいいます。
レンダリングを行うことで、動画編集中に動画を正常に(カクカクならず)再生することができます。
レンダリングの方法
レンダリングの方法は、「シーケンス」メニューの「インからアウトでエフェクトをレンダリング」を選択すると、シーケンス内の正常に動画が再生されない部分すべてをレンダリングします。
実際にレンダリングを行ってください。キーボードのショートカットキーは、「returnキー」(Enterキー)になります。
レンダリング中は、「レンダリング」のポップアップウィンドウが表示されます。
レンダリングが終了すると、先程レンダリングバーで赤い部分がレンダリングされて「緑色」に変わります。
このように、シーケンスに複雑は効果を入れて、動画が正常に再生されない場合、レンダリングすることで動画が正常に再生されます。なお、あとで説明する「書き出し」を行う際、このレンダリング処理が自動的に実行されます。
タイトル(テロップ)の作成
Premiere Proで文字を挿入したい場合、タイトル(テキストテロップ)を使用します。
今回、動画の最初に背景画像を配置して、動画のタイトルを入力します。
1.背景のダウンロード
下記から背景画像のダウンロードを行ってください。白の背景になります。
2.背景をプロジェクトパネルに読み込み
「ファイル」メニューから「読み込み」を選択し、ダウンロードした「White_Background.png」を読み込みます。
3.素材の配置
再生ヘッドを0秒目(動画の最初)に移動します。
読み込んだ「White_Background.png」をタイムラインパネルの「V2トラック」にドラッグ&ドロップで配置します。
4.素材の編集
最初のタイトルは、2秒間表示しますので、再生ヘッドを2.0秒目に移動し背景の再生時間を短くします。「White_Background.png」の右端にカーソルを併せ、矢印アイコンに変わったら、再生ヘッドのいちに併せて、「White_Background.png」を短くします。動画でご確認ください。
5.動画の開始位置変更
タイトルを入れることによって、動画の位置を全体的に2秒後に移動します。タイムラインパネルで表示倍率を「¥キー」(半角英数入力モード)を押して、80%表示に変更します。その後、「01Movie.mp4」から「05Movie.mp4」をキーボードの「shiftキー」を押して複数選択後、2.0秒目まで移動します。動画でご確認ください。
6.タイトルの入力
タイトルを入力します。
再生ヘッドを0秒目(動画の最初)に移動します。(表示倍率は任意で変更してください。)
ツールパネルから「横書き文字ツール」に変更します。
手順は、
①プログラムパネルの背景の任意の位置でクリックし、「ねこたちのにちじょう」と入力後、文字ツールで入力した文字を選択
②エフェクトコントロールパネルに切り替えます
③「テキスト」を展開し、「アピアランス」の塗りのタイルをクリックします
④カラーピーカーの一番下にあるカラーコードに「000000」と入力します
⑤OKを選択します
文字カラーの初期設定は、白色になっている為、白い背景の上では表示されません。文字カラーを黒色に変更します。
7.タイトルのフォント調整
入力したタイトルの調整を行います。
フォントの種類やスタイルは任意で指定してください。フォントサイズは、「150」程度にしてください。
8.タイトルの位置調整
次に、タイトルの位置調整を行います。位置調整は、「エッセンシャルグラフィックス」パネルで行います。今回は、背景の水平・垂直方向中央にタイトルを配置します。
ツールパネルから選択ツールに切り替え、入力したテキストを選択します。
「ウィンドウ」メニューから「エッセンシャルグラフィックス」パネルを選択します。
ウィンドウの右端に「エッセンシャルグラフィックス」パネルが表示します。
エッセンシャルグラフィックスパネルを使用すると、文字だけではなく、Premiere Proで使用する様々なオブジェクトの調整を行えます。
それでは、実際にタイトルの位置調整を行います。
手順は、
①「編集」タブを開きます
②「配列と変形」から「垂直方向に中央揃え」を選択
③「配列と変形」から「水平方向に中央揃え」を選択
すると、水平・垂直方向中央に配置されます。
このように、「エッセンシャルグラフィックス」パネルを使用すると、オブジェクトに対して様々な設定を行うことができます。
9.タイトルのデュレーション調整
作成したタイトルをタイムラインパネルで確認すると、最初の動画に文字がかかっています。タイトルを表示するデュレーションの調整を行います。
タイトルの右端にカーソルを合わせ、「White_Background.png」と同じ長さに調整します。
タイトル調整後、一度動画を再生して確認してください。
このように、動画にテロップを追加する際は、「文字ツール」を使います。細かな文字の調整は、「エフェクトコントロールパネル」や「エッセンシャルグラフィック」パネルを使用して調整します。
まとめ
今回説明した内容は下記3点です。
- トランジション
- レンダリング
- タイトル(テロップ)の作成
トランジションやタイトル(テロップ)の作成は、動画編集する際によく使用する機能なのでしっかり理解してください。
次回も引き続き、動画編集を行っていきます。
これからも、Macのシステムエンジニアとして、日々、習得した知識や経験を発信していきますので、是非、ブックマーク登録してくれると嬉しいです!
それでは、次回のブログで!